アークス(本社・札幌市中央区)グループのラルズ(同・同)が、2016年から他事業者など5社と取り組んできたモーダルシフト(トラックなどの自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用に転換すること)が、一般社団法人日本物流団体連合会(東京都千代田区、以下物流連)の「モーダルシフト優良事業者大賞表彰」で、モーダルシフト優良事業者賞「革新的取組み部門」を受賞した。(画像は、「ラルズ・フレスタ・原信・CGCグループモーダルシフト推進協議会」による農産品輸送のイメージ図=ニュースリリースより)
物流連は、2003年からモーダルシフトの取り組みについて、優良事業者を公表する制度を開始、2014年からは公表とともに表彰する制度に移行した。2023年には、国の関係閣僚会議で決定した「物流革新緊急パッケージ」で、モーダルシフトを強力に推進することが掲げられたため、物流連は「モーダルシフト」の促進を図るため、これまでの公表表彰制度を発展させ、「モーダルシフト優良事業者大賞表彰」を導入した。
公募事例の中から最も秀逸な成果を達成した事業者には、「モーダルシフト優良事業者大賞」が贈られ、「モーダルシフト優良事業者賞」の「革新的取組み部門」は、大賞に次いで革新的、先駆的なモーダルシフトの取り組みを行った事業者などに贈られる。
ラルズは、シジシージャパン、フレスタ、原信ナルスオペレーションサービス、全国通運と5社で、「ラルズ・フレスタ・原信・CGCグループモーダルシフト推進協議会」を設立、サスティナブルな海外農産品輸送の実現に取り組んできた。今回、その取り組みが、受賞対象となった。
具体的には、船で輸入した農産品を加工施設で海上コンテナから鉄道コンテナに移し替え、従来使用していた輸送拠点を通過せずに、各社の配送拠点に輸送できるようにしたもの。安定的な供給が行えることと、輸送が効率化されて、トラックドライバー不足への対応と環境負荷低減を可能にしたことが評価された。輸送日数の短縮により、鮮度の高い農産品の提供が可能になるほか、12フィートコンテナ単位で配送拠点まで輸送することで、鉄道貨物輸送の活用が可能になった。CO2排出量は、前年比で19%削減され、トラック運転時間は、同12%の削減となった。
5社は、CGCグループの定例会議などの場でメリットを周知、CGCに加盟している204社にこの取り組みを普及させて、輸入農産品の安定供給とモーダルシフトをさらに推進していく考え。