札幌に本社を置く株式上場食品スーパー(SM)3社の9月度売上高前年比によると、各社とも青果や鮮魚の不振が響き、前年並みを確保するのがやっとで個人消費は底堅さに欠く状況が続いている。IMG_4450(写真は、アークス本社)

 アークス(本社・札幌市中央区)の9月度売上高は、全店ベースが前年同月比101・0%、既存店ベースが同100・9%だった。全店、既存店ともに3ヵ月連続の前年超えとなったものの1%に届くのがやっとで、水面上にようやく顔が出るような状況。

 客数がそれを如実に物語っており、全店ベースは同99・2%、既存店も同99・3%という結果になった。全店ベースは5ヵ月連続、既存店は2ヵ月連続で前年割れだった。
 客単価は、全店ベースが同101・8%、既存店ベースが同101・6%。客数減を客単価がカバーして、売上高を前年並みに維持している状態であることが分かる。

 マックスバリュ北海道(本社・札幌市中央区)の9月度売上高は、全店ベースが同101・6%、既存店ベースが同101・8%になった。昨年、全店・既存店ともに3~5%成長してきた同社に減速感は否めない。
「青果の相場安に伴う売上高減少、鮮魚は旬の魚の不漁で厳しく、惣菜部門もここにきてブレーキが掛かっている」(広報)。客数と客単価は公表していないが、アークスに近い状況とみられる。

 北雄ラッキー(本社・札幌市手稲区)の9月度売上高は、既存店ベースが同96・7%だった。同社は過去1年間で新規出店や閉店がなかったため、オール既存店扱い。客数も同95・7%、客単価は101・0%だった。「8月と状況的に変わっていない。青果と鮮魚の不振が響いた」(広報)としている。6月に建て替えた札幌市西区の「ラッキーマート西野店」は計画通り順調に推移しているという。

 SM3社は、共に青果・鮮魚・惣菜の不振に直面しており、これはSM業界に共通した構造問題になりつつある。ドラッグストアやコンビニエンスストアと差別化されたこうした生鮮食品がSMの強みだったが、この部分の不振は深刻だ。また、客数の減少もSM業界に共通しており、個別店舗ごとに見ていくと一人勝ちのない団子状態に近い。頭一つ抜き出る売り上げをつくることができるかどうか、年末商戦に向けて各社のMD(マーチャンダイジング=販売政策)が試されている。


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