IMG_8753IMG_8754 札幌交通圏(札幌市、北広島市、江別市、石狩市)でタクシー事業を行っている札幌エムケイ(本社・札幌市白石区)の本社敷地内に廃車タクシー約40台が野ざらし状態で置かれている。どの車両もナンバープレートは外されており隣り合う車両との距離はほとんどないほどの“すし詰め状態”。この廃車タクシーは何のために残されているのか。(写真は札幌エムケイの本社敷地にすし詰めで並べられた旧タクシー車両)
 
 タクシーの償却年月は4年間とされているが、整備を十分にすれば耐用年数は延びる。札幌エムケイが札幌交通圏で低額運賃を売りにして新規参入したのは2009年4月。当初は40台でのスタートだった。
 
 現在は、タクシー台数が過剰な特定地域に指定されているため各タクシー会社は増車できないが、札幌エムケイは特定地域に指定される以前に増車を重ね、現在は100台で営業展開している。
 
 本社敷地の裏にびっしりと並べられた廃車タクシーは約40台で参入したときに使用していた車両群だ。初乗り550円のシールも後部窓に貼られた状態でナンバープレートこそ外されているが、いつでも利用できるような状態で“保管”されている。
 
 前述したように札幌交通圏は行政当局から増車が認められない特定地域。しかし、抜け道はある。
 語るのは、タクシー業界の関係者だ。「例えばタクシー会社が廃業したとする。車両を廃棄したり運転手を解雇しても当局から認可された車両台数の権利は継続することができる。いわば実態のない営業権だけを売買することも可能だ」
 
 つまり新規の増車は認められないが、他社のM&A(買収・合併)や廃業したタクシー会社の営業権を取得すれば増車は可能という訳。
札幌交通圏で営業しているタクシーのうち、札幌ハイヤー協会に加入しているタクシー会社は自主的に減車する取り組みも行っているが、協会に非加盟の札幌エムケイなど数社は減車しておらず、むしろ増車に意欲的。
 
 札幌エムケイの本社敷地に並べられた使用済みタクシーの数々は、何を意図したものなのだろうか。


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