根室市のふるさと納税寄付額が、2022年12月末で170億円に達し、早くも過去最高だった2021年度を上回った。そんな中、東京の寄付者の間で喜ばれているのが、一風変わった返礼品。本店が根室にある回転寿司店「根室花まる」の東京3店舗で、根室産魚介類が食べられる食事券がそれ。専用の「ふるさと納税席」で根室の新鮮な魚介類を使った寿司を待たずに食べられると人気だ。(写真は、「根室花まる根室店」)

 根室市の2021年度のふるさと納税寄付額は146億500万円で紋別市、宮崎県都城市に次いで3番手だった。2022年度も好調を続けており、7年連続過去最高になるのは確実。好調の原因について、石垣雅敏市長は、「先人が育て上げた根室というブランド力が大きいこと、水産加工会社の技術力が高いことが挙げられる」としている。市内約80社が返礼品に関わっており、花咲ガニやホタテなど海産物を中心に約2000種類の中から選ぶことができる。

 そんな中で、2022年度から返礼品に加えたのが、「根室花まる」の食事券。2万円の寄付で根室産寿司ネタを使った寿司を2人前食べることができる。このユニークな返礼品は、石垣市長のアイデア。「3年前からお願いしていましたが、今年から協力してもらえることになりました。専用の『ふるさと納税席』をつくってもらい、並ばずに食べられると好評です」と石垣市長。

 対象は「根室花まる」の東京3店舗。東京の店舗では予約を受け付けていないが、「ふるさと納税席」は予約を取ることができ、並ばずに食べることができる。食事券で足りなければ、追加料金を払って好きなものを食べることもできる。「モノだけではなく、食文化も発信することで根室の良さを東京の方たちにも知ってもらいたい」と石垣市長は話している。


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