銭湯の灯がまたひとつ……「澄川温泉」56年で閉湯

社会・文化

 札幌市南区澄川の平岸通沿いにある大きな狸が目印のニュー銭湯「澄川温泉」(澄川3条3丁目)が17日の営業で閉湯する。1963年の開湯から56年、住民に親しまれた歴史ある銭湯が姿を消す。20180613_184249(写真は、澄川温泉の前に鎮座している「さんすけ」)
20180613_182654(写真は、ホールに貼られている閉湯のお知らせ)

 澄川温泉の前には、「さんすけ」という名前が付いた大きな狸が置かれ、桶を持って入湯客を迎えてくれる。身長5・5m、体重5tの信楽焼で現在の施設になった1986年7月生まれだそう。

 施設の中は、主浴槽のほか赤外線寝風呂、座り浴槽、電気風呂、香り風呂、サウナ(別料金100円)、スチームサウナなどがあり、週替わりで男女が入れ替わる。風呂のタイル絵は灯台を描いたものだ。

 経営しているのは開拓農家として澄川の地に入植した米永家。今の施設になる前の81年から37年間番台に座る米永恭子さんは、2代目の店主。閉湯を決めたことについて米永さんは、「今の施設になって32年が経ちましたが設備的に古くなってきたことに加えて、電気代や灯油代も上がり、このままでは銭湯経営がやっていけない時代が来るからです。きっちりと終えられる間に終えたかったので閉めることを決めました」と話す。

 澄川温泉は17日の営業で一般営業を終え、18日は常連客を無料招待しているという。入湯客を迎え、見送ってくれた「さんすけ」もあと4日で桶を下ろすことになる。 

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