医療の国際化がすぐそこまで来ている。日本の医療はこれまで国民皆保険の恩恵もあって、地産池消ではないが地域の患者は地域の医療機関で治療を行うのが当たり前と考えてられていた。しかし、最近では国内ばかりでなく国際的にも医療の流動化が起きている。九州・沖縄の患者が北海道の医療機関を受診、治療したり、海外の患者が北海道で病気を治したりすることが徐々に出てきている。


医療の国際化は、経済産業省も前向き。国内の医療機関が外国人患者に高度な医療サービスを提供する「医療ツーリズム」の拡大に向けて、患者の受け入れを支援する会社を2011年にも官民出資で設立する方針で、12年度から本格的な事業を開始する。
医療の国際化によって外国人患者を受け入れると国内医療産業がより活性化するため、政府は新成長戦略の一環として医療ツーリズムの強化・育成を掲げている。
札幌のある脳神経外科病院の理事長は今年、韓国とタイを訪問し医療のボーダレス化を実感したという。
「韓国のキリスト教大学の総合病院を訪問すると、立派で綺麗な病棟があった。聞いてみるとそれはロシア、中国の富裕層向け専用病棟だった。専用病棟を作るほど、韓国では外国人患者を多く受け入れている実態がある。また、今年2月にはタイのバンコクを訪れたが、タイの医療費は世界的にも安く、しかも高度な医療が受けられるので海外の患者が大勢受診していたのが印象的だった」
医療ツーリズムに熱心とされているシンガポールやタイでは中東などから年間で数十万人から100万人近くが訪れており、医療機関だけでなく旅行会社やホテルなどの収益拡大にも繋がっている。
日本で、くも膜下出血の手術をすると200~300万円かかるが、保険によって3割負担になり100万円が自己負担になるが、高額医療費補助がでるため実際に患者本人が支払う医療費だけでは10万円くらいと見られている(入院費や食費は別)。米国なら軽く1000万円はかかると見られており、トータルにかかる医療費は保険がなくても日本の方が米国よりもかなり安い。国際的な医療費の格差が、医療のボーダレス化に拍車を掛けるのは確実な情勢で、それは遠い先のことではないようだ。

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