【テーマインタビュー】ニセコは新型コロナをどう乗り越える~ニセコリアルエステート代表取締役ベン・カーさん

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(画像は、ベン・カーさんが提案する「空の駅」のイメージ図)

 ーーコロナ問題が始まって1月末からニセコの観光客も激減して今はゼロに近い。不動産投資も減っているのではないですか。

 カー ホテル、飲食関係はお客がいないので大変ですが、不動産は今でも取引があります。1月や2月に現地を見た人たちが買っていますし、インターネットで物件を見て買う人もいます。別荘やコンドミニアムのほか、土地売買も普段のように決まっています。コロナ問題が出てからも売買は動いており、ニセコの不動産投資にはあまり影響していないようです。
 ただ、これまでは買いたい人が実際に現地を見て購入するパターンでしたが、今は現地を見なくても不動産が動いています。ニセコで20年近く不動産取引をしていて新しい動きが始まり出したと思っています。コロナの収束には1年かかるかもしれませんが、購入者の多くが『再びニセコで過ごしたい』と言っています。コロナ収束後もニセコの不動産投資が減退することはないと思います。

 ーーコロナ問題の収束後に向けてニセコが取り組むべき課題は何でしょう。

 カー 冬もさることながら夏のアクティビティをさらに充実させて1年中観光客が集まる地域にしなければいけない。尻別川のラフティングの他にも自転車レースの『ニセコクラシック』が2014年から始まっていますが、音楽フェスティバルやフードフェスティバルの開催で集客を増やすことが課題だと思います。

 私は10数年前に自家用飛行機のライセンスを取得して小型飛行機を所有しています。経営している『ニセコグリーンファーム』の農場に昨年は350mの芝生の滑走路を作りました。農場ではオーガニック野菜を使った手作りピザ体験なども行っていますが、考えているのはニセコでのジェネラル・アビエーション(グライダーなどスカイスポーツや自家用機の運航などの事業)の振興です。
 その一環として、倶知安町や町の農業委員会に『空の駅』の整備を提案しています。長さ800mの芝生の滑走路を町内に作ってセスナキャラバンなど行い、飲食や物販の施設も整備すれば夏の集客にも繋がり、宿泊施設の稼働率も上がっていくと思うからです。

 地域で将来を担う人材を育てることも必要です。稼働を始めた『パークハイアットニセコHANAZONO』のようなハイグレードな施設が多くなっています。そこではレベルの高いサービスが求められます。しかし、ニセコにはサービスレベルの向上や人材育成を目的にした大学や専門学校がありません。ニセコの将来を担う人材を育てる教育機関の誘致は大切なことだと考えます。
 
 ーーコロナ収束後に再びニセコは活気を取り戻しますか。

 カー コロナ問題がどう収束するか見通せませんが、収束しても外国人観光客はすぐには戻ってこないでしょう。その代わりに国内観光客が増える可能性があります。国内の観光客はこれまで外国人の予約がいっぱいでなかなかニセコに行けなかった。これを機に日本人のニセコの再発見があるかもしれません。そのことによって通年観光に繋がると期待できます。

 ーー北海道の可能性をどう考えますか。

 カー ニセコもそうですが、北海道全体がこれからも観光地として伸びていくと思います。北海道には自然の力があって食べ物もおいしいし景観も素晴らしく、その価値は大きい。北海道にはまだまだ可能性があるでしょう。
 
 ーーありがとうございました。

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