【テーマインタビュー】ニセコは新型コロナをどう乗り越える~NAC代表取締役ロス・フィンドレーさん

ピックアップ・リアル

 ーーオーストラリアやニュージーランドからのスキー客が最近は減っているようですね。

 ロス オーストラリアやニュージーランドのスキー客が減っているのは、ホテルやマネージメント会社の希望だから仕方がない。オーストラリアやヨーロッパ、アメリカのスキー客たちは多くが1~3週間滞在します。香港やマレーシア、中国などのスキー客は3~4泊して定価で払います。2週間や3週間、滞在するお客はある程度の割安感を求めますから、マネージメント側としては当然定価で払う人たちの方を優先します。オーストラリアやニュージーランドのスキー客が減っているのは、ニセコのマネージメント側の希望でもあるからです。

 ーーコロナ問題があってもニセコの成長は続きますか。

 ロス コロナ問題がある程度の見通しが付けば投資はどこの国からでも来るでしょう。建物を作って売る投資サイクルが回っていますからロシアやフランスなど、どの国からも投資は増えていくと思います。

 ーーところで今シーズンは雪が少なかったようですね。

 ロス 雪があればいいというスキー客はあまり減らないと思いますが、パウダースノーを求めて来る人たちは減るかもしれません。世界のリゾートでは雪が一番の課題になっています。このまま世界のスキー場の雪が少なくなると、スキーを楽しむ次の世代が育たなくなってしまいます。人口減少と同じでスキー人口が減ればスキーを楽しむ文化そのものが減退しかねない。それがとても心配ですね。とは言うものの、私も事業を行っているので現実問題としてスキー以外のところに少しずつ投資しなければならないと考えています。

 ーー苦労を乗り越えていかなければならないということですね。

 ロス みんなそれぞれ違う考え方だと思うが、私は苦労を乗り越えるというよりもチャレンジする姿勢が必要だと思います。私はスポーツが大好きで、今でもスキーの選手をしていますが、トレーニングも好きなので苦労と感じたことはありません。勝っても負けてもチャレンジすることが大好きです。ビジネスでも同じ考え方ですが、ここまで長く会社をやっていると疲れることは疲れます。でもそれを苦労とは考えていない。

 修学旅行生が戻ってくる際に備えて、もうひと回り大きなラフティングボートを購入する考えです。多い人数を少ないスタッフで対応できるようにするためです。今まではお客7人とガイドを含め10人程度が乗れるボートでした。今度購入するのはお客が10人ほど乗れるもので新たに25艇ほど購入しようと思っています。現在は60艇近くありますが、大きいサイズのボートは2艇しかありませんでした。
 昨年は倶知安町花園に広さ9265㎡の巨大アドベンチャーパークを作りましたが、他地域でのプランも練っているところです。こういったコンサルティングサービスなどをNACとして強化していきたいと考えています。

 ーーありがとうございました。

(写真はNAC2階のカフェレストランから望む羊蹄山)

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