閉店する「イトーヨーカドー」の「屯田店」(札幌市北区)と「琴似店」(同市西区)の食品売り場後継テナントに「ロピア」が決まり、早ければ2024年8月にも「ロピア屯田店」がオープンする。驚異の食品ディスカウントで注目を集めるのは必至だが、課題はヨーカドー撤退後の衣料、日用品、暮らしのフロアが埋まるかどうか。空きフロアが目立つ状態では、「ロピア」の船出も逆風になりかねない。
(写真は、「イトーヨーカドー屯田店」=上と「イトーヨーカドー琴似店」)

「イトーヨーカドー屯田店」は、1階が食品フロアと暮らし、服飾のフロア、2階がファッション、子供と飲食のフロア。「イトーヨーカドー琴似店」は、地下1階が食品フロア、1階が婦人ファッションのフロア、2階が紳士、服飾と肌着のフロア、3階が子供、暮らしのフロア。ヨーカドーが、北海道や東北からの撤退を決めたのは、食品以外の上層階の不振が大きな原因だ。

 平日の午後、2店舗を訪れると、食品フロアはいずれも5割ほどの入りで賑わっていたが、上層階は人がまばら。すれ違う人はおらず、レジに並ぶ人もいない。賑わっているのは、ゲームコーナーだけという状況だった。いずれも面積は700坪、800坪はあって、撤退後にテナントですべてを埋めることは、ほぼ不可能ではないかと思えるほどの広さだ。

「これだけの広さを埋めるには、家電量販店か、家具インテリア専門店しかないのではないか。GMS(総合スーパー)撤退後の上層階は、どこもテナント誘致に苦労している。ヨーカドーの屯田店や琴似店のテナント集めも、一筋縄ではいかないだろう」(流通関係者)。「ロピア」が入っても、上層階や同じフロアで空きフロアが目立つようでは、買い物客のマインドにも影響をおよぼしそう。「ロピア」の課題は、そこにありそうだ。


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