道内から店舗撤退するイトーヨーカ堂(本社・東京都千代田区)の中で、後継テナントが決まっていない2店舗のうち「イトーヨーカドー福住店」(札幌市清田区)の後継店舗が、ディスカウントスーパー「ロピア」に決まった。「ロピア」は、「屯田店」(同市北区)、「琴似店」(同市西区)に次いで3つ目の「イトーヨーカドー」後継店舗となる。(写真は、「イトーヨーカドー福住店」)

 OICグループ(本社・川崎市幸区)のロピア(同・同)が展開する「ロピア」は、ディスカウントスーパーとして全国85店舗を展開しており、東北では、宮城県に「仙台ヨドバシ店」(仙台市宮城野区)を出店している。北海道進出は、「イトーヨーカドー」の後継店舗として入るのが初めてで、「屯田店」、「琴似店」に次いで、今回の「福住店」で3店舗になる。オープン時期は、明らかではないが、年内にも「屯田店」と「福住店」がオープンしそうだ。

 北海道では、今回の「イトーヨーカドー」をはじめ、「西友」が道内全9店舗をイオン北海道(本社・札幌市白石区)に売却するなど、GMS(総合ス―パ―)の地盤沈下が著しい。イオン北海道は、GMSとモールを組み合わせた大規模ショッピングセンターの超GMSモデルを構築、道内唯一のGMS勝者として展開を図っている。そんなGMSに次いで、今後のパイ縮小が迫っているのがSM(スーパーマーケット)業界。

 世帯数の減少や高齢化によってSMのパイ減少は必然とみられ、「新たなブレークスルーが必要な段階」(食品卸社長)。そうした市場に参入する「ロピア」の一番の武器は低価格。「ロピア」が3店舗体制で攻めてくることによって、低価格競争は常態化しそう。「イトーヨーカドー屯田店」の食品売り上げは、年間30億円程度とみられているが、「ロピア」はその倍、60億円を売り上げると業界関係者は予想する。

「ロピア」の強みの一つに、インプロ(インストアプロモーション)を挙げる関係者もいる。インストアプロモーションとは、店内で視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚に訴える販促活動。道内のSMは、インプロよりもチラシ販促に力点を置いており、この点も道内SMの刺激となりそう。2店舗よりも3店舗の方が、業界に与える影響は当然大きい。「ロピア」参入は、道内SM業界の再編を含めた新たなブレークスルーを引き起こしそうだ。


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