(写真は、折り込みチラシをやめた現金問屋手稲店)
ーー昨年はコロナ特需の反動減でスーパー業界は苦戦しました。今期はどう予想していますか。
津司 前期の売上高は、その前の期に比べれて少し落ちた程度でしたが、利益は厳しかった。生鮮関係は、商品そのものの供給が細かったので、当社のように生鮮が中心にスーパーは苦労しましたし、利益も減りました。もちろん販管費なども上がっていますから。ただ、売上高は100億を超えています。今期は、北郷店の閉店がありましたが、売り上げが前期を下回ることはありません。
ーーどのような店づくりを目指していきますか。
津司 店づくりも大事ですが、仕入れ先とのパイプをもっともっと太くしていかなければならないと考えています。メーカーや卸と繋がっているから、商品が調達できて販売することができ、メーカーや卸が頑張った価格を出してくれるから、当社はお客さまに最適な価格で販売ができているのです。3人4脚という感じで商売が成り立っていると認識しています。仕入れ先との関係は、まだまだ改善する余地がありますし、改善していかなければ、商品の調達はもっと難しくなると思っています。
ーーこれまではメーカー、卸とのパイプはそれほど太くなかったのでしょうか。
津司 今から振り返ると細かったように感じますが、当時としてはマックスだったと思います。メーカー、卸との関係を強めていこうと改善する気持ちがないと、実際にそうはならない。こうしたいと思うことが大事。それは夢みたいなものではなくて、自分がこうだったらいいと思うことが大切。一度に2歩進むのは難しいが、1歩ずつだと進むことができます。改善とは、そういうことなのではないでしょうか。そういう意味ではメーカー、卸とは一蓮托生です。当社を通じて仲間になったところは、そう思いたい。
ーー卸売スーパーのFC(フランチャイズ)戦略は。
津司 釧路のあいちょう釧路さんとFC契約をしていて、6月末で解消しましたが、協力関係は今後も続けます。FCは稚内と枝幸郡枝幸町の2店舗になりました。当社の会長が、スーパーの3分の1が閉店すると話していますが、予測ではなくて、そうなる方向に向かっていることを肌で感じます。地方の独立スーパーは、自分たちで商品を仕入れることがとても難しくなっています。大手スーパーでセンターがあるところなら商品は回りますが、地場で単独展開しているスーパーは、商品調達がかなり厳しくなっています。当社は、卸的な要素も持っているので、他社と協力して対応できるところは対応していきたい。
ーー新店舗や閉店店舗の予定は。
津司 新店を増やす前に、仕入れを強くしなければ新しい店舗はできないと考えています。閉店店舗は考えていません。いずれにしても仕入れを強くしていかなければならない。口で言うのは簡単ですが一朝一夕にはできないし、年単位の時間がかかります。
ーーどこかのスーパーの系列に入る考えはありますか。
津司 当社のようなスーパーをグループに入れたいというところがあると思いますか(笑)。あまりにもシステムなどが違い過ぎます。ルーツである八百屋からスーパーになったように、事業の継ぎ足しを繰り返して現在の姿になっています。アナログの会社ですが、時代に合わせた今のアナログを体現しているのが、当社だと思います。自分たちの立ち位置はよくわかっているし、偉そうなことをやるつもりもない。売っている商品などが変わっても根本的なものは変わっていません。売り場の表現、現場の言葉は少しずつ変わっていっても、根底に流れている当社の血のようなものは、変わっていない。ここは変わる必要はないと思います。
ーーありがとうございました。