八百屋のベンチャービジネス、やお八(本社・札幌市東区)は創業3ヵ月目で7店舗目となる青果専門店「やお八札幌南平岸店」(同市豊平区平岸3条13丁目5—24)をオープンさせた。野菜の収穫、販売会社マルジン(同・山梨県南アルプス市)と組み、採れたての青果を直接取引で仕入れ、低価格で販売する。(写真は、「やお八・南平岸店」の店頭に立つ藤川欽三代表取締役)
やお八を創業したのは、2009年に札幌で道産米のオンラインストア「米のさくら屋」立ち上げた藤川欽三氏(40)。「米のさくら屋」は現在、一般向けと飲食店向けなど業務用のオンラインストアを展開、年商は約10億円。道産米以外にマルジンと協業して青果類も取り扱っている。
やお八は、マルジンと組んで主として関東の青果類を、中間物流を介さずに札幌に運び、販売するのがビジネスモデル。前日に収穫した新鮮野菜を翌日には店頭に並べるため、鮮度の良さと低価格が特徴となっている。一般的な青果類は卸会社を通して販売されているため、収穫から店頭に並ぶまでのリードタイムが掛かり中間マージンも発生する。
やお八とマルジンは、全国の約500の農家とネットワークを結び、年間契約で直接仕入れるため相場に左右されない低価格での販売が可能になるという。
(店内には、新鮮な青果類が並べられている=写真)
今年3月に「みかほ店」(札幌市東区)、「二十四軒店」(西区)、「白石店」(白石区)、「豊平店」(豊平区)の4店舗を同時出店、以降、「中央店」(中央区)、「栄町店」(東区)と続き、今回6月28日に7店舗目となる「南平岸店」オープンさせた。「南平岸店」は、白石・藻岩通沿いで昨年移転した老舗の和菓子店「福屋餅菓子舗」跡に出店。建物は躯体を残してリニューアルされている。店頭には、スイカやメロン、トウモロコシ、キュウリ、ホウレン草、レタスなど旬の青果類が並んでいる。
出店場所は、地下鉄南平岸駅からすぐで通勤、通学客や近隣に住む人たちに向けて販売する。藤川代表取締役は、「『やお八』の出店によって青果業界の新陳代謝を図り、新風を吹き込みたい。札幌市内に早期に10店舗まで増やし、その後は関東でFC(ランチャイズ)展開、2025年には50店舗まで拡大したい」と話す。なお、やお八の今年度売上高は約1億2000万円を予定している。
やお八では、一般客向け店頭販売や業務用の配達サービスも手掛け、サブスクリプション導入、青果の定期購入ができるようにするなど、地域に根差した青果専門店として成長を目指していく考え。
(写真は、「やお八・南平岸店」の外観)