「丘のまち」として知られる上川郡美瑛町で9月上旬、食品スーパー同士の局地戦が始まる。数十年前から店舗を構える「スーパーチェーンふじ」の真横に「DZマート」がコバンザメのように新規出店するからだ。共に旭川圏に本社を置く企業が、美瑛町を舞台に火花を散らす。(写真は、建設工事が終盤を迎えている「DZマート美瑛店」。左の建物は「スーパーチェーンふじ美瑛店」)

 美瑛町北町2丁目の国道237号線沿いに9月上旬、「DZマート美瑛店」を出店するのはダイゼン(本社・上川郡鷹栖町)。同社は、中型サイズの食品スーパー「DZマート」を旭川市内中心に、道北、道東に18店舗を展開している。今回、こうした地方での中型サイズ店舗運営のノウハウを生かして美瑛町に進出することにした。富良野市にも店舗進出していることから物流効率化も図ることができる。

 迎え撃つのが「スーパーチェーンふじ美瑛店」。道北アークス(本社・旭川市)が、旧ふじの時代に出店したもので数十年に及ぶ歴史を持つ。同じ敷地内には「セブンーイレブン上川美瑛店」もあり、2店舗は利用者の使い分けで共存、均衡が保たれている。

「DZマート」の出店場所は、「ふじ」の裏手に当たる場所だが、国道に面しており視認性は高く、これまでの均衡が崩れるのは避けられそうにない。売り場面積約261坪(863・9㎡)、駐車場の収容台数は40台で初年度売り上げは約3億円を計画している。

 ただ、道北アークスとダイゼンは、旭川市内でも競争環境にあることから互いに手の内を知っている関係。美瑛のスーパー局地戦に対する本部の認識の濃淡が戦局を左右することになりそうだ。


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