国内最大の総合免税店チェーン、ラオックス(本社・東京都港区)は、インバウンド蒸発を受け全24店舗のうち北海道3店舗を含む12店舗を閉店、一層のコスト削減とキャッュフロー改善を図る。(写真は、臨時休業中の「ラオックス新千歳空港ターミナル店」=2020年7月1日撮影)

 2020年1月末から感染が世界的に拡大している新型コロナウイルスの影響を受け、同社の主要顧客である中国からのインバウンドが蒸発。北海道では、直近で7店舗あったが、2月29日に「札幌狸小路店」、「札幌時計台通り店」(札幌市中央区)、「函館赤レンガ店」(函館市)を閉店。現在は、「千歳アウトレットモール・レラ店」、「新千歳空港ターミナル店」(千歳市)、「札幌本店」(札幌市中央区)、「小樽運河店」(小樽市)の4店舗があるものの休業を続けている。
 
 こうした一時休業を全国的に続けてきたが、インバウンド回復はめどが立っておらず、休業店舗の固定費支出を抑えコスト削減にさらに踏み込むため、全国24店舗の半分に当たる12店舗を閉めることになった。北海道では3店舗の閉店を決めた。他地域での閉店は、東北1店舗、東京8店舗、近畿4店舗、九州6店舗、沖縄1店舗で、九州、沖縄エリアからは撤退する。
 
 北海道の店舗の内、「札幌本店」は、米国のファストファッション「フェーエバー21札幌店」が入っていた札幌ゼロゲートビルに昨年12月10日に新規出店したものの、今年2月末からは休業を続けている。ラオックスは、都市部の店舗を日常的な買い物ができる店舗へ転換する計画で、都心部にある「札幌本店」の行方に関心が集まっている。
※2020年7月30日記事一部訂正しました。


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