日本最大級の免税店ネットワークを構築している中国資本傘下のラオックス(本社・東京都港区)は北海道の「ラオックス」店舗の閉店を急加速させている。新型コロナウイルスの感染拡大で主要顧客の中国人観光客が激減しているためで、早期に見切りをつけ赤字拡大を防ぐ狙い。(写真は、閉店後に商品の搬出が進む「ラオックス札幌狸小路店」)

 ラオックスの北海道の店舗は、直近では7店舗あったが2月28日に鈴木直道北海道知事が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため緊急事態宣言を発表。これを受けて「札幌本店」、「札幌狸小路店」、「札幌時計台通り店」(いずれも札幌市中央区)、「小樽運河店」(小樽市)を2月29日、3月1日の2日間休業するとしていた。

 しかし、中国人観光客をはじめインバウンドの激減が確実になったため29日付で「札幌狸小路店」、「札幌時計台通り店」、「函館赤レンガ店」を閉店、「千歳アウトレットモール・レラ店」は3月31日まで休業する方針に切り替えた。「札幌本店」、「小樽運河店」、「新千歳空港ターミナル店」は営業しているが今後の状況次第では閉店の可能性もある。「札幌本店」は、昨年12月10日に米国のファストファッション「フェーエバー21札幌店」が入っていた札幌ゼロゲートビルに新規入店したばかりで、札幌市内の店舗はここだけになった。

 ラオックスの19年12月期決算は、売上高1295億2000万円、営業赤字31億3000万円、純損失78億7200万円で2期連続の赤字。今年2月17日から販売専門職140人の希望退職を募るなど業績回復に向けた抜本策を進めている。


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