(写真は、2017年12月にオープンした旭川市内の「DZマート東光8条店」)
ーー19年9月期の新店舗の計画はありますか。
柴田 出店地域は公表できる段階ではありませんが、1店舗は出したい。
ーー19年9月期の売り上げは、どれぐらいを予定していますか。
柴田 約53億円を目指しています。経常利益は約1億円、売上高経常利益率は2・5%を目標にしたい。私たちは、常に身軽なローコスト経営を目指し、将来的には複数店舗を社員1人が見るようにしていかなければならない。仕組みづくりをどんどん進めていかない限り生き残っていけないでしょう。従業員の賞与も前期は約8%伸ばすことができました。今期はベースアップも実施したい。そうしなければ、良い人材を継続的に集めることができませんから。
ーー5年後の方向性はいかがですか。他業態との連携などは進めますか。
柴田 何とも言えませんが、他社などから選ばれる企業になれるかどうかだと思います。どこからも相手にされないような企業ではどうしようもない。将来的に単独で生き残っていくのはかなり厳しいかもしれません。
これだけ変化の激しい時代なので、何年後にどういう姿を目指すかは正直、なかなか描けない。店舗戦略についても、数年前までは「原点回帰」で旭川に集中出店する方針でしたが、地方の収益力が高くなって店舗戦略も変えました。今後も人件費は上がり、コスト的に経営を圧迫していくことは間違いない。それに対応できるようにシステム化を徹底して、お客さまの価格志向に対応していくことが生き残りの条件です。
ーーアマゾンなどインターネット通販への対抗策は。
柴田 考えていません。私たちの業界は、消費者が品物を見て買いたいと思っています。家電や衣料、書籍はネットで買う人が多いですが、食料品はまだそこまでいっていない。徐々にネット購入者が増えるとしても、現段階ではコスト的には合わないでしょう。しかし、時代の流れは本当に早いので、食品を扱っている業界もどうなるかわかりません。私たちもどこかと結びついて形を変えているかもしれません。
ーーところで、「ダイゼン」という社名の由来は何でしょうか。
柴田 善悪の「善」が大きいということで、「大善」が創業時の社名でした。先代が、親しくしていた僧侶から仏教用語のヒントをもらい名付けたようですが、私が社長に就任した2000年に漢字よりもカタカナの方がしっくりくると考えて変えました。
ーー「大善」設立の経緯などを聞かせてください。
柴田 父は、帯広市の隣の河西郡芽室町で家業の酒屋を継いでいました。私はその頃に芽室町で生まれましたが、しばらくして父は家業を畳み帯広市内に移り住み、当時のダイイチスーパーで働くようになりました。ほどなく、ダイイチが旭川に進出することになり、父は家族を連れて旭川に引越しました。その後、父はフジスーパーに移って専務に就任。1974年5月に独立して旭川流通団地で食品卸業からスタートしたのが始まりです。父はずいぶん苦労して形を何度も変え、それを引き継いだ私も形を変えて現在に至っています。
創業以来貫いてきたのは、ディスカウントの考え方。常に仕事の仕組みを自分たちで考えるようにしています。作業効率も絶えず見直して効率化を追求してきました。システム化を徹底的に実践してコストを下げる努力をしながら、お客さまが買いたくなるように商品力をつけていこうと思います。
ーー今後の御活躍を期待しています。本日はありがとうございました。