ーーマックスバリュ北海道との合併が、2020年3月に予定されています。
青栁 19年5月の株主総会で合併比率などが決まり、20年3月に合併予定です。現在は、統合準備委員会を組織して両社の取締役が議論をしています。営業、商品、物流など分科会でも議論を深めています。私は統合準備委員長を務めています。マックスバリュ北海道の出戸信成社長とは、2人で別建ての時間をとって徹底的に膝詰めで本音の話をしています。
ーー合併のメリットは、どういうものでしょう。
青栁 一つには商品面のスケールメリットがあります。今もイオングループのPB(プライベートブランド)も含めて連携しており、道内取引先と共同で商品開発も行っていますが、合併によって商品開発を一層強化できます。北海道のイオングループとして独自の商品をどう作っていくかがポイントになります。その他にも、例えばマックスバリュ店舗で品揃えが十分にできていないノンフーズ、H&BCなどのカテゴリーはイオン北海道のノウハウを使って強化できます。
デジタル政策はイオン北海道が中心になって行っていますが、今のネットスーパーの仕組みも手稲のセンターからどう利用者にリーチしていくかという課題があります。商品の店頭受け取りなどは08年から始めましたが、今後はマックスバリュ店舗もデジタルの接点、拠点になってくるでしょう。
店舗活性化も合併によって資金的な余裕が出てくるので進めやすくなります。いずれにしても、北海道でイオンの新しいブランディングをきちっとしていくことを第一に置いて商品、サービスに磨きをかけていく考えです。
ーー合併後の組織体制はどうなりますか。
青栁 会社を一本に統合するので持ち株会社は作りませんが、機能別か事業別かなど、議論をしている最中です。
ーー売上高は、年間3100億円を超え単独で道内トップの流通企業が生まれます。北海道の活性化に資する役割はますます高まっていきます。統合イオンは、地域活性化をどう進めていきますか。
青栁 先程言ったように、店舗は大きな経営資源であり資産です。例えば釧路地区ではバスでWAON決済の実証実験をしていますし、店舗から地域に様々な貢献が可能になってきます。人生100年時代と言われる中で、ヘルス&ウェルネスを軸に店舗の在り方や商品の品揃えなど様々な手を打つことができると思います。
「苫小牧店」で実施している冬期間のモールウォーキングも健康志向の取り組みの一例。地域にある店舗が、地域に住む人々に価値を提供できる施設になっていかなければならないという強い思いがあります。
デジタルビジネスを強化することによって店舗でデジタルとリアルを融合することもできます。店舗の役割は10年後に様変わりしているでしょう。私たちは自治体など関係機関と協力しながら地方創生に資することを目指したい。
ーー「まいばすけっと」は、札幌市内で36店舗を展開しています。引き続き出店を継続しますか。
青栁 2025年に100店を実現します。店舗運営は、MDを変えるなど様々な実験をしながら進めています。店舗運営モデルは、構築できていますから適応する物件を鋭意探しているところです。店舗開発費や人件費を除いたベースでは19年2月期の第二四半期で黒字化しました。店舗を支えるバックオフィスのコストは無視できません。商品発注からピッキング、納品、陳列まで最適な規模や距離を考えると今後も札幌市内が出店地域になります。
ーー最後に、趣味など含めて休日はどう過ごしてリフレッシュしていますか。
青栁 趣味というほどではありませんが、休みの日には道内のあちこちを見て回っています。妻と一緒に道の駅を巡るのも好きなので、19年から道内すべての道の駅を制覇したいと思っています。
ーー本日はありがとうございました。