JA北海道厚生連が発行している広報誌「すまいる」の冬号で、同連の奥野岩雄会長とJ1昇格を決めたコンサドーレ札幌石崎信弘監督の対談が掲載されている。チームの総合力が必要なサッカーと医療の共通点などを語り合っているものだが、この対談が行われたのは昨年の11月末。3日後のFC東京との試合の勝敗によっては、石崎監督はJ1監督になるか、退団かの瀬戸際だった。試合では2対1で見事勝利、J1監督として「すまいる」誌面を飾ることができた。(写真は、『すまいる』に掲載された石崎監督との対談ページ)
 
「すまいる」は、JA北海道厚生連が年3回(7月、10月、1月)発行している無料の広報誌。その時々の旬の人物との対談をメーン記事に、医療情報や健康コラム、トピックスなどを掲載している。
 
 JA北海道グループでは、コンサドーレ札幌と食育に関する提携をしていることから石崎監督との対談をセット。J1昇格が目前だったものの足踏みが続いていたコンサドーレだったが、対談日は11月30日。3日後の12月3日にはFC東京との最終試合が残されていた。この試合に勝てば昇格が決定されるものの、負ければJ2残留、石崎監督は退団することになっていた。
  
 当然、誌面にも影響する。J1昇格に導いた監督として誌面を飾ることができるか、前監督として登場するかによっては読者へのインパクトも大きく違ってくる。
 
 対談が行われた日は大雪。コンサ選手たちは宮の沢練習場が使えなかったために苫小牧に向かう予定だったが、高速道路が一時閉鎖されたため、結局宮の沢で雪かきをした後に練習することに。石崎監督はそんな慌しい中、奥野会長との対談に臨んだ。
 
 3日後、札幌ドームで行われたFC東京との試合は2対1で勝利、コンサはJ1昇格を決めた。対談はメーン記事だけに「旬の人」として掲載することができ、タイムリーな企画になった。
 
 奥野会長は石崎監督について「厳しい勝負の世界で生きている監督のナマの声を聞けた。良い結果を出すには良い土台を作ることが大切ということがよくわかったし、人心を掌握する術や人が持っているものを引き出す能力に感心しました」と語る。
 
 奥野会長は、これまでサッカーの試合観戦に足を運んだことはなかったというが、J1昇格の初試合となる3月10日札幌ドームでのジュビロ磐田戦には出かけたいという。
なお、「すまいる」は、各厚生病院や農協で無料配布している。


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