大地みらい信用金庫(本店・根室市)が、ビジネスモデルを大きく変えようとしている。このため外部人材を積極的に向かい入れ、職員の出向など“他流試合”を奨励、意識改革を強く促している。遠藤修一理事長(62)は、2019年を取引先のニーズを深く追求する1年として相談型金融機関への道を確かなものにしていく考えだ。その根幹をなすのは職員の取引先などへの共感性だという。遠藤理事長に目指す信金像についてインタビューした。(写真は、遠藤修一理事長)

 ーー2018年9月中間決算の状況はいかがでしたか。

 遠藤 預金は伸びていますが、貸し出しは前年中間期比でマイナス3~4%でした。地方公共団体向けの減少が大半で、今後も地公体向け貸し出しを抑制します。代わりに民間へのマネー供給を強めますが、民間貸し出しは横ばいの状態。とりわけ水産加工関係は、慎重にリスクを見究めて難しい局面を乗り切ろうという堅実な貸し出し先が多い。例年秋から年末に増える季節資金の需要がなかなか出てこない状況になっています。

 ーー札幌支店開設から3年半が経過しました。預金、貸し出しの状況はどうですか。

 遠藤 開設から3年半で貸出残高は約130億円になりました。不動産案件もありますが、不動産に傾斜しているわけではなく、根室、釧路と同じスタンスで融資先と長く取引を続ける付き合いをしています。その中で130億円台まで増えたのは、大変ありがたい。現在、貸し出し先は約160、顧客数は約1600です。

 ーー札幌支店の貸し出しの伸び率は。

 遠藤 貸出残高100億円に到達したのは、18年4月ころでそれから半年で35億円伸びました。新規貸し出しがほとんどで、多くが地元の根室、釧路管内の取引先からの紹介です。応援をいつもいただいており、地元の取引先には感謝しています。

 ーー札幌支店には、金融機関OBがアドバイザーとして活躍されています。外部人材の登用にも積極的ですね。

 遠藤 札幌支店にはベテランのアドバイザー2人が在籍しています。日本政策金融公庫と北洋銀行のOBで、顧客の紹介や取引先を繋いでもらったりしています。また、りそな銀行出身者で信託のノウハウを持った2人も札幌支店と本店に在籍しており、信託業務の開拓を進めています。18年2月には、釧路市役所の部長職OBもアドバイザーに就任してもらい当金庫釧路支店に在籍しています。同じく7月には、日本銀行函館支店の次長も当金庫本店に招聘しました。



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