恵庭リサーチ・ビジネスパーク(恵庭市)と財団法人さっぽろ産業振興財団は22日、「第3回食品と機械の集い」を札幌市内の北海道経済センターで開催した。同パークが重点事業としているのが食品加工と機械工業のコラボレーション。「食品と機械の集い」は、食品加工業で使われる機械の保守点検や修理、改良など「食」と「機械」の技術者同士の出会いの場を設け“ものづくり産業”の底上げを図るのが狙い。道内から約150人が参加して交流を深めた。(写真は、挨拶する奥山恒夫恵庭RBP社長=左と講演する佐土原一暁イカリ消毒北海道西地区長)
恵庭リサーチ・ビジネスパーク(恵庭RBP)は1988年に設立された官民出資の株式会社で、恵庭市が推進する高度複合都市プロジェクトの産業育成機関の役割とともに民活法による研究開発・企業化基盤施設として恵庭RBPビルを活用した事業を展開している。
重点的に取り組んでいるのが、2年前にオープンした食品と機械リエゾンオフィス。これは、道内に優位性のある食素材を使った食品加工業を側面支援するために機械工業とのマッチングを進めるための場。食品加工の現場で使用されている機械の大半は本州メーカー製で、保守点検や修理も本州に頼っているのが実情。
しかし、道内にも食品機械を手掛ける企業は多く、食品加工業との接点を持てば、食品と機械の道内完結の輪が形成されメンテナンス費用の削減と時間が短縮でき食品加工のニーズに合致した機械の開発にも繋がる。
「食品と機械の集い」は、こうした技術者同士のネットワークを広げるために食品と機械リエゾンオフィス開設を機に始まった。
3回目となった今回は、講演や交流会が盛り込まれ道内各地から約150人が参加。講演では、食品加工分野で異物混入防止対策を進めるイカリ消毒の佐土原一暁北海道西地区長やユニフォームメーカー、小山の右田孝一北海道担当部長、カボチャ乱切り装置などを開発したシンセメックの松本英二代表取締役の3人がそれぞれの取り組みを紹介した。
佐土原氏は、「当社が請け負っている異物同定検査の依頼件数は右肩上がりで増えている。一般消費者の不安の表れで効果的な異物混入防止対策が食品加工の現場では不可欠になっている」とし、「こんな現場は危ない」と異物混入が起きやすい工場には整理整頓ができていないなど共通の原因があることを指摘していた。