6月1日に札幌地裁に民事再生法の適用を申請したマルカワ食品(本社・札幌市清田区、資本金4000万円)は、ヨコオデイリーフーズ(同・群馬県甘楽郡甘楽町、資本金1000万円)をスポンサー企業として再生を進める見通しだ。(写真は、民事再生による再建を目指す「マルカワ食品」本社工場)

 マルカワ食品は、豆腐、うの花、油揚げなどを製造販売している。1928年に札幌市中央区で納豆製造を始めたのがルーツで、1952年にマルカワ食品設立、1972年に現在の札幌市清田区平岡2条1丁目1-1に本社と工場を移転新築して現在に至っている。工場移転当時は、周辺の宅地開発も進んでいなかったが、徐々に戸建て住宅が工場を取り囲むように建設されていった。このため、排水処理など工場の環境投資負担が重く、生産工程の合理化投資が十分に行えず生産コストの低減が難しかった。

 さらにスーパー各社の価格競争のあおりを受けて収益が低迷、赤字計上の事業年度もあって内部留保を積み増すことが難しかった。ここ数年は、原料大豆の品不足と値上がりが響いていたほか、コロナ禍によって大豆輸入量が減少、2021年6月期は売上高約24億1500万円を計上したものの赤字に陥り、債務超過になっていた。コロナ融資などで事業を繋いできたが、新規借り入れが難しくなり民事再生法による再建を進めることになった。負債総額は約10億5000万円。従業員数は約160人。

 スポンサー企業は、群馬県のこんにゃくメーカー、ヨコオデイリーフーズ。同社は1978年に創業、1989年に有限会社ヨコオ食品工業、1996年に株式会社に改組、2010年に現社名になった。2014年には工場見学型のテ―マパーク「こんにゃくパーク」を開業、年間100万人が訪れ、近隣の世界遺産、「冨岡製糸場」と並ぶ観光名所になっている。年商は約95億円(2020年5月期)、従業員数約250人。



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