バイキングレストラン「クックロビン」(札幌市東区)など飲食・土産店の運営や道産加工品の製造販売をしていた榮屋(本社・札幌市北区)が、3月31日で事業を停止、破産申立の準備に入った。コロナ禍によるインバウンドの蒸発が経営を直撃した。(写真は、事業を停止した「榮屋」の本社工場)

 榮屋は、1980年10月の設立。本社工場のほか、函館営業所、千歳営業所を展開し、昆布巻やラーメン、珍味、いももちなど道産加工品の製造販売を手掛け、土産品店や量販店向けに供給、ネット販売も行っていた。土産品店を兼ねた大箱の飲食店として、700席以上の「小樽シーポートマーケット」(小樽市築港5-1)、「北海道まるごと市場」(千歳市真々地4丁目9-1)を運営。また、札幌市内では280席の3大カニバイキングなどの「クックロビン」(東区北42条東3丁目1-1)、400席の「ぺすかあど」(中央区南4条西3丁目1-1、第3グリーンビル3階)も展開してきた。「クックロビン」は、昨年に営業を停止するなどしていたが、今年3月31日にすべての事業を停止した。

 信用調査機関によると、ピーク時の2015年9月期は33億4200万円の売り上げがあったが、コロナ禍によるインバウンドの蒸発、道内外観光客の大幅減少で2021年9月期は14億円になり赤字を計上。債務超過になり、資金繰りに行き詰まった。負債総額は約9億円という。従業員数は約45人。

 札幌市は北区百合が原6丁目1-46の本社工場には人影もなく、入り口には近日中に札幌地方裁判所に破産申立を行う旨の張り紙が、代理人弁護士2名の名前で掲示されている。工場前には配送用ワゴンやトラックが整然と並べられていた。「ゼロゼロ融資」や飲食店の休業助成金など、コロナ対策の金融支援があっても資金繰りがもたなかった。 
※2022年4月5日読者の指摘により記事一部修正しました。榮屋の本社所在地、札幌市東区→北区。


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