人材派遣のキャリアバンクや給与計算アウトソーシングのエコミック、SATO行政書士法人、SATO社会保険労務士法人などSATOグループは10日、札幌市中央区のキャリアバンクセミナールームでAirbnb Japan(本社・東京都新宿区)の長田英知執行役員を講師にしたオープンセミナーを開催した。Airbnbの宿泊場所提供者(ホスト)など関係者約70人が参加した。(写真は、講演するAirbnbの長田英知執行役員ホームシェアリング事業統括本部統括本部長)
6月15日から住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されることに伴って開催されたもので、長田氏は『Airbnbの取り組みと今後の展望』と題して約80分間講演した。
最初に長田氏は、今年2月からAirbnbのサイトを包括的体験のプラットフォームに変更したことを紹介、「マッチング精度を高めるために、家族旅行や出張、グループ旅行など目的別の物件掲載にしたほか、グレードの高い物件を『Airbnbプラス』、さらに上級グレードとして『ビヨンドバイbnb』として掲載することにした」と述べた。「プラス」は、Airbnbの基準に沿って100項目ほどのチェックを経て認定されるもので、現在、世界13都市2000件が認定されている。年内に東京や大阪、京都でも認定して展開を始めるという。
Airbnbは、宿泊者(ゲスト)の評価が高い提供者(ホスト)を「スーパーホスト」として認定しているが、ホストが部屋を綺麗に使っているゲストを評価して、同社がそのゲストを「スーパーゲスト」に認定、宿泊料金の割引などの特典を提供することも始めた。
Airbnbが日本で展開を始めたのは2014年で今年は4年目を迎えるが、1月時点の国内物件数は約6万2000件。16年のインバウンド利用者は約370万人で国内インバウンド全体の15%が利用しているという。「17年もインバウンドは伸びているが、日本人の利用者も急速に伸びている」(長田氏)。
民泊新法の施行で民泊市場をいかに広げ活性化していくかについて、長田氏は「民泊は地域活性化の手段として効果的。イベントとの親和性が高く、徳島の阿波踊りに合わせたイベント民泊は好評だった。ラグビーW杯に合わせて当社と釜石市との間で観戦と農家民泊に関する協定も締結した。さらに『寺に泊まろうサービス(テラハク)』も開始、座禅体験もできるなど日本に根付いたサービスを深化させていく」と語った。
また、民泊新法によって不動産業界からの物件提供の問い合わせが増えていることに触れ、「民泊ができるように法的手続きを整えたり、家具や家電製品の手配、Wi‐Fiの整備、清掃の契約など民泊のサービスのスキームをワンストップで提供する代行サービスを札幌など国内6都市で開始する」と話していた。