雪を利用した食品の保存・加工研究や商品開発、ブランド化を研究することを目的に「北海道スノーフード研究会」が21日、美唄市で設立された。美唄市では雪の冷熱を利用した環境配慮型データセンター事業が始まるなど雪山の冷熱利用で集積が進んでいる。スノーフード研究会は、食品への利用について研究したり情報交換をするもので、設立総会には産官学からの約100人が参加した。会長には、東海大学名誉教授の馬淵悟氏が就任した。IMG_2609(写真は、設立記念フォーラムで講演するフードプロジェ札幌の嘉山修代表取締役)
 
 雪の冷熱を利用した野菜類は、低温順化と呼ばれる現象を起こすことが以前から知られており糖度が増したり劣化抑制、酸化を防ぐ効果などがある。雪での貯蔵は湿度が高い環境のため甘くなるとも言われている。冷蔵保存に必要な電気代が抑えられ、ある実験では二酸化炭素発生量を7割も削減できるという報告もある。
 
 美唄市のホテルスエヒロで行われた設立総会後には記念フォーラムも開催され、公益財団法人雪だるま財団チーフスノーマンの伊藤親臣氏が『雪がもたらすうまい話』と題して新潟県の雪冷蔵による食品利用について講演したほか、札幌の食品コンサル会社、フードプロジェ札幌代表取締役の嘉山修氏が『買ってもらえる商品とは』をテーマに講演した。

 嘉山氏は、「名寄ではメロンとホウレンソウの二毛作をしている農家がある。ホウレンソウの糖度は13度以上あり、これを雪中冷蔵すればさらにビジネスチャンスが広がるのではないか」と述べた。

 その後、馬淵会長がコーディネーターになり、伊藤氏、美唄市経済部産業振興課長の村橋広基氏、沼田町利雪技術開発センター主任研究員伊藤勲氏、貞広農場の貞広樹良氏、雪屋媚山商店代表取締役の本間弘達氏の5人がパネルディスカッションを行った。

 北海道スノーフード研究会の事務局は、雪屋媚山商店美唄支店内に設置、問い合わせは☎0126・66・3855 FAX0126・66・3856 


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