北海道が10月15日にソウル特別市と友好交流協定を締結したのに伴って、道内の経済界が「北海道・ソウル親善交流協会」を設立した。ソウル特別市の経済界では既に同様の受け皿組織が誕生しており、観光交流や文化交流を進めて経済活性化に結び付けていく。


ソウル特別市は、東京都と1988年に姉妹都市の協定を締結、これまでにソウルと東京で日韓交流おまつりを開催してきた。ソウル特別市は、東京以外にも全国に友好都市を設けて日本との友好交流を広げる目的で候補地を数都市選定していた。
当初、北海道は4番目に選ばれていたが、元アーバンコーポレーションの石川裕一会長が日韓未来財団の李大成理事長に北海道を優先するように要請。この結果、北海道が東京都に続く2番目の友好都市として優先され10月の調印にこぎつけた。
ソウル経済界の動きは早く、道との友好都市協定締結後の11月1日にはソウル・北海道親善交流協会が創立されて、12月にはこの協会が社団法人に移行するなども受け入れ態勢を整えた。
また、ソウル江南区の高級ショップが立ち並ぶビルのひとつに地下1階と地上2階までを使って北海道プラザを開設することを決め、12月9日には地下に北海道の食材を使った日本料理店が先行オープンしている。
北海道プラザのある場所は、メイン通りに面しており東京で言えば六本木と青山の風情が漂うロケーションだという。
ソウル側の熱意に比べて、道側の受け皿づくりは遅れていたが、12月14日にようやく経済界が中心になって「北海道・ソウル親善交流協会」が発足した。
会長には、JR北海道相談役で社団法人北海道観光振興機構坂本眞一さん、副会長には北海道空港社長の山本邦彦さんがそれぞれ就任した。理事には、社団法人札幌観光協会会長の星野尚夫さん、北洋銀行会長高向巖さん、北海道銀行頭取堰八義博さん、北海道ガス社長大槻博さん、JR北海道社長中島尚俊さん、北海道新聞社社長村田正敏さん、野口観光社長野口秀夫さん、メディアコム社長伊藤正浩さんが就いている。特別顧問として道知事室長の荒川裕生さん、元アーバンコーポレーション会長で現在、ぷらう社長の石川裕一さんが選ばれた。
坂本会長は、「来年早々にソウルの観光協会と道の観光振興機構が提携するほか、道内にはソウルプラザを作りたい。ソウルプラザの場所は新千歳空港内と札幌駅周辺を考えている」と述べた。
道とソウルとの人間交流や文化交流を深めて、道内のスイーツや食品加工での提携なども付随的に進めていく考え。
また、札幌雪まつりが開かれる2月にはソウル市長が雪まつりのHTB広場を訪れソウルのPRを行い友好を深める予定。
(写真は、12月14日に行われた「北海道・ソウル親善交流協会」の設立発足式)

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