1974年に作られた中世の古城のような中川郡池田町の「池田ワイン城」が、「町民が集うワイン城への回帰」をコンセプトにリニューアルオープンした。昨年10月に行われた恒例の「池田町秋のワイン祭り」の開催後から休館、内装を中心に改装工事を行い8ヵ月ぶりのお披露目となった。コロナ禍でオープンが2ヵ月延期となったが、「原点回帰」をうたったリニューアルは、町民や観光客を一層ひきつける施設に生まれ変わった。(写真は、6月20日にリニューアルオープンした「池田ワイン城」)
(写真は、より明るく開放的になったショッピングエリア)

「十勝ワイン」のマチを象徴する施設がこのワイン城で、正式名称は池田町ブドウ・ブドウ酒研究所。1952年の第一次十勝沖地震後の凶作から脱却するため、時の丸谷金保町長の『山ブドウが自生するならブドウの栽培が不可能なはずがない』という発案で始まったブドウとブドウ酒作りの系譜が集約された現役の町営醸造所でもある。
 竣工から40数年経った2017年度から耐震工事を段階的に実施しており、昨年10月からは全面休館して最後の仕上げとなる内装工事を行い、このほど総工費8億8000万円を投じたリニューアルが完了した。
(写真は、2階に新設されたワイン関連書籍が揃うライブラリ)
(写真は、ブランデー蒸留室)

 1階のショッピングエリアは、スペースを倍にして従来のお土産屋のイメージを一新。明るくゆったりしたフロアには、リニューアル記念の限定ワインや町の特産品などが豊富に揃う。これまで会議室などに使用していた2階には、ワインに関係する書籍が用意されたライブラリも登場、地下の熟成室には8000lの大樽を割いた屋根をしつらえたバーが設けられた。4階のレストランを拡張、新たにフードカウンターコーナーを設置、十勝で唯一、「日本の夕陽百選」に選ばれているワイン城からの夕陽を見ることもできる。
 
 リニューアルのコンセプトとなった「原点回帰」は、町民が育ててきたワイン事業とその文化を投影する館として再編集したもので、より町民に親しまれる施設となり観光客と繋がることを目指している。入館料は無料、開場時間は午前9時から午後5時、年末年始休館。


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