豊月・豊岡総一郎社長インタビュー「会社を基礎から再構築」「生鮮市場で差別化徹底」「独立系でやっていける」

流通

 スーパーマーケット「フードD」を苫小牧市内や札幌圏で展開する豊月(本社・苫小牧市)の新社長に豊岡総一郎専務(47)が昇格してから4ヵ月、さっそく社内改革に乗り出すなど新体制の構築に向け、歩み始めた。実質的な創業者と言える憲治会長(80)が築いてきたスーパーマーケットの風土を継承しつつ、フレッシュな視線から組織の在り方を再定義する取り組みも始めている。市場での買い付けを20年来続け、時間を見つけては他のスーパーの視察を欠かさない現場重視のストイックな姿勢が持ち味だ。新社長に、豊月のこれからを聞いた。<とよおか・そういちろう>…1978年9月生まれ、47歳。2002年3月専修大学経済学部卒、同年4月三井食品入社。2006年4月豊月入社、鮮魚部門を担当し鮮魚バイヤーなどを務め、常務、専務を経て2026年3月社長・COO就任。>

 ーー社長就任から4ヵ月が経過しました。まず、何から取り組んでいますか。

 豊岡 会社をあらためてつくり上げる気持ちで臨んでいます。もちろんゼロからではありませんが、今まで足りなかった部分が会社の課題としてずっと残っていましたので、どう改善するかというところからスタートしています。会社をあらためて基礎から固めていかなければいけないと思います。今回、私の社長就任と同時に常務に就任した総務部長と一緒に進めています。

 ーーお二人で、まずは社内課題の洗い出しをして解決するということですね。具体的課題は何でしょう。

 豊岡 ガバナンスがしっかりしていないところがあるので、役職者の責務を再度しっかりと固めて体制を構築し、リスクマネジメントにも取り組みます。

 ーーどんなスーパーマーケットを目指しますか。

 豊岡 差別化を進めていかなければいけない中で、当社の強い部門である水産を中心に生鮮を強化します。どう強化するかは、自分たちが独自に考えないと深く進めていくことはできないと思っています。生鮮の各部門や加工食品のマネージャーたちと話し合いながらつくり上げていきますが、その一部が「生鮮市場」業態で、その業態を導入したことによって以前の豊月を若干ですが、変えることができたのではないかと思います。

 ーーどこが変わりましたか。

 豊岡 単純ですが、「食べておいしい」を基本にしながらリピート客を増やしていくことができているということです。デリカ部門がおいしくなったという評価もいただいています。精肉部門も大きく変えました。和牛の品揃えなど、他社にあまりできないことをしています。一つひとつの味付け肉を、みんなで試食して味を決めるなどしてきたことが、お客さまにも伝わっていると実感します、味一つにしても、私が独断で決めるのではなく、みんなでつくり上げていくことを基本にしています。

 ーー「フードD」は、生鮮比率が高い特徴がありますね。

 豊岡 店舗の精肉、青果、鮮魚、惣菜(デリカ)の4部門の比率は、既存店で48%ほど、「生鮮市場」では52~54%です。生鮮構成比率を上げて、デイリーミックス(利益率の低い生鮮食品と利益率の高い日配品の商品を組み合わせて、売り上げと利益のバランスを取る手法)やグロサリーを低価格にするのが、「生鮮市場」です。

 ーースーパー業界の中で生鮮比率が50%を超えるのは珍しい。

 豊岡 そうですね、一般的には難しいかもしれません。鮮魚などは、人件費で見てもなかなか採算が合わない生産性の低い部門なので、他のスーパーでは力を入れにくいという事情があると思います。そこはやはり、逆手に取って強化して生き残りをかけています。
 生鮮の生産性ということでは、部門の垣根を超えて生鮮全体の生産性をどう高めていくかという視点が必要です。マーチャンダイジングも含めて、部門の垣根を取り払っています。部門の垣根を超えて効率的になっていることが、他のスーパーと違う部分なのかもしれないですね。

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