「共和町を世界に誇るリンゴの輸出産地に」TRAILIXが定植祭、新たな産地づくり始動

経済総合

 岩内郡共和町の農業法人「TRAILIX(トレイリックス)」は2026年5月8日、町内学田地区でリンゴ苗木を植える「定植祭」を開き、北海道最大級となるリンゴ産地づくりプロジェクトを本格始動させた。式典では、苗木の定植に先立ち、豊作と事業の安全を祈願する神事が執り行われ、関係者が玉串をささげた。会場には、成田慎一町長ら自治体関係者や農業団体、企業関係者など約40人が出席し、新たな果樹産地づくりのスタートを祝った。
(写真は、共和町内学田地区の圃場)

 トレイリックス社は、食品貿易事業を展開する「西本Wismettac(ウィズメタック)ホールディングス」(本社・東京都中央区)と、共和町で農作物生産を手掛けるノルデックスの共同出資により、2025年5月に設立された。世界的に需要が高まる国産リンゴの安定供給と、日本農業が抱える労働力不足や高齢化への対応を目的としている。

 栽培する主力品種は「ふじ」「ぐんま名月」「シナノゴールド」の3品種。海外市場でも評価が高い品種を中心に生産し、将来的な輸出拡大を見据える。プロジェクトでは、背丈の低い苗木を直線状に高密度で植える「高密植栽培」を採用。自動操舵トラクターを活用した防除や摘花作業など、スマート農業技術を組み合わせることで、省力化と生産性向上を図る。こうした取り組みが評価され、同社は今年3月、果樹分野としては北海道内初となる農林水産省のスマート農業認定を取得した。
(写真は、自動操縦トラクタ)

 2024年から試験圃場で実証を開始、今年は道内最大規模の約4haの農地に1万2000本の苗木を定植した。2029年には約50tの出荷を見込む。さらに2035年までに全道200ha規模への拡大を計画しており、アジア市場への輸出も視野に入れる。

 成田慎一町長は式典で、共和町の特産であるスイカ栽培の歴史を引き合いに出し、「昭和38年に宮丘地区でスイカ栽培が始まった当初は、不安の声も多かった。しかし、挑戦を重ねた結果、今では道内屈指の産地となった」と振り返った。その上で、「リンゴ栽培も新たな挑戦。遊休農地の活用にも繋げながら、“共和のリンゴ”という新しいブランドを育ててほしい」と期待を寄せた。

 また、トレイリックス社の朝山晴行社長は「国内にとどまらず、アジアをはじめとする海外の消費者へ届け、この共和町を世界に誇るリンゴの輸出産地に育てていきたい」と強調。「まずは4haからスタートするが、10年以内に200ha規模を目指す。アジア市場の需要を考えれば、その先の1000haも北海道なら十分可能だ」と述べ、将来的な大規模展開への意欲を示した。
(写真は、定植祭で挨拶するTRAILIXの朝山晴行社長)
 人口減少や担い手不足が進む中、スマート農業を活用した大規模リンゴ生産は、北海道農業の新たなモデルケースとして注目を集めそうだ。
(写真は、リンゴの苗木を植える成田慎一共和町長)

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