札幌の今、解体ノート2024年版⑳中央区南1条西5丁目「豊川南1条ビル」

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 マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が、大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも、数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2024年20回目は、中央区南1条西5丁目の「豊川南1条ビル」。(写真は解体工事に入っている「豊川南1条ビル」)

 市電が走る、南1条通に面した「豊川南1条ビル」は、バブル期に多額の不動産投資をして破綻した旧住専の1社、日本住宅金融(本社・東京都千代田区)が、1981年9月に竣工させた地下1階、地上9階建てのオフィスビル。このビルには、地場旅行代理店だった牧野航空旅行のオフィスもあった。1995年には、札幌のビル事業者、敷島屋が取得、「敷島南1条ビル」にビル名称を変更。2010年には、同じく地場不動産事業者の豊多が取得、以降は、「豊川南1条ビル」に名称を変更した。1階には、タピオカドリンク専門店「瑪蜜黛」が、入っていた時期もあった。

 同ビルの土地は、2019年2月に大和ハウス工業(本社・大阪市北区)が取得、建物は、同じ日付で同社が豊多に、売買予約の所有権移転請求権仮登記を行っている。ビルの解体工事は、2024年11月15日から始まった。注文者は、豊多、解体事業者は成美(なるみ)興業(本社・東京都足立区)。解体工事は、2025年8月31日までになっている。

 大和ハウスは、ビル解体後に所有者が、住宅宿泊事業者となって民泊の貸し出しが可能な「モンドミオ」シリーズの分譲マンションを建設する。同ビルの隣接地で、大和リース(本社・大阪市中央区)が運営している時間貸し駐車場「Dパーキング南1条西5丁目」の敷地も使い、L字型のマンションとする予定。

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