札幌・大通商業ビル建て替えラッシュで消える地場資本

経済総合

 札幌中心部に押し寄せている、ビル建て替えラッシュ。1972年の札幌冬季オリンピック前後に建てられたビル群が、相次いで更新時期を迎え、街並みそのものが大きく変貌しようとしている。そうした変化の過程で目立ち始めたのが、地場資本による商業ビルの減少。4丁目プラザの底地は読売新聞東京本社(本社・東京都千代田区)の所有に移り、IKEUCHI GATEの底地も地主(同・大阪市中央区)の所有になった。都市が生まれ変わろうとしていく中で、地場資本の縮小が進んでいる。(写真は、閉館前の4丁目プラザ)

 51年前の札幌オリンピック開催当時に、駅前通の大通ゾーンに建てられた商業ビルの多くは、地場資本のビルだった。4丁目プラザ、中心街ビル、コスモビル、エイトビル、さらにサンデパートもあった。これらのビルは、建て替え時期を迎えているが、中心街ビル、コスモビル、エイトビルは既に本州資本が土地建物の権利を持ち、4丁目プラザも閉店後に、地権者の1人だった読売新聞東京本社が他の5人の地権者から持ち分を取得して、全体を所有するようになった。

 2022年10月にスクラップ&ビルドでオープンした「IKEUCHI GATE」。世界的建築家、伊藤豊雄氏の設計からなる斬新な商業ビルだが、土地の所有者は、竣工後の2023年3月に丸ヨ池内(本社・札幌市中央区)から東京証券取引所プライム上場の地主に移った。取得額は定かではないが、土地に金融機関が、極度額60億円の根抵当権を設定している。

 ビルの建て替えは、街を活性化させ、新たな賑わいを創出するが、その過程で地場資本が本州資本に代わっていく現実がある。4丁目ビルの地権者だった1人は、「我々の手でテナントを集めることは、難しくなっている。建て替えによって本州資本が主導権を持つのは避けられないだろう」と話す。

 なお、市街地再開発で今年7月に誕生した「moyuk SAPPORO」は、地権者の中に地元個人や企業が残っており、かろうじて本州の全資本化を免れている。

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