大和ハウス、北海道のランドマーク「ロイトン札幌」手放す

経済総合

 大和ハウス工業(本社・大阪市北区)は、「ロイトン札幌」(札幌市中央区北1条西11丁目1番地1)を売却する。売却先はジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ(略称JHRA、東京都渋谷区)のアセットマネージャーを務める合同会社恵比寿リゾート(同)。同ホテルを信託財産化してその信託受益権を売却するものだが、売却額は明らかになっていない。帳簿価格は22億6000万円。(写真は、売却が決まった「ロイトン札幌」)

「ロイトン札幌」は、北海道営林局宿舎跡地を大和ハウス工業が取得、1992年7月にオープンさせた都市型シティホテル。地下2階、地上20階建てで、294室。宴会場も広く、コンベンションホテルとして展示商談会の会場としても利用されてきた。建物の所有は大和ハウス工業、運営は大和リゾート(本社・東京都千代田区)。

「ロイトン札幌」は当初、宿泊客を旅行エージェントに頼らない独自集客を行っていたが、その後方針を変え、エージェント集客も行う方向に転換した。大和ハウス工業の北海道進出の象徴ともなった施設で、軌道に乗るまでは赤字経営が続いた。近年では、隣接する旧北海道厚生年金会館跡地との一体的な再開発も取り沙汰されたことがある。

 今回、大和ハウス工業が「ロイトン札幌」を手放すことになったのは、同社の北海道戦略の転換とみることができる。同社は、再開発案件や建て替え案件での露出度が、他の本州系デベロッパーを圧倒しており、北海道での存在感は年々高まっている。折しも「ロイトン札幌」の開業から今年は30周年、同社にとって北海道のランドマークだった同ホテルを手放すことに躊躇はなかったようだ。

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