卸売スーパー「現金問屋手稲店」リニューアル、値上げラッシュに「安さ」でチャレンジ

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 低価格スーパーを展開する卸売スーパー(本社・札幌市手稲区)は5月20日、「現金問屋手稲店」(同区前田4条7丁目1-1)をリニューアルオープンさせた。食品値上げが続く中で、同店は安さを前面にアピール、買い物客の低価格志向に対応する。(写真は、5月20日にリニューアルオープンした「現金問屋手稲店」)

「現金問屋手稲店」は、2012年5月に旧ダイエー手稲店跡に居抜きオープンした食品スーパー。店舗面積は約2945坪(約6750㎡)、卸売スーパーが展開する7店舗の中で最大面積の店舗。2018年6月にリニューアルを行っており、今回は4年ぶりの改装となる。
 同社は今年3月に「卸売スーパー新札幌店」(札幌市厚別区)を改装、「品揃え、安さ、良質」をベースにコロナ禍と原料高で大きく変化してきた消費者心理に対応できる売り場にした。「現金問屋手稲店」もこの路線を踏襲してリニューアルしたもので、安さをもう一度売り場の中に落とし込み、買い物客にアピールできるようにした。「現金問屋手稲店」では、今度のリニューアルを機にチラシの折り込みをやめ、毎日が特売のEDLP(エブリ・デイ・ロー・プライス)を導入する。

 食品スーパー業界は、原料高によるグロサリー商品の価格上昇を販売価格に転嫁、コロナ禍が始まった2年前から値上げが続いている。一方で、青果、水産、畜産はモノ不足が恒常化しており、ウクライナ危機によるロシア産水産物の調達が不透明になるなど、インフレ懸念も高まっている。一方で、買い物客の実質所得減に伴う節約志向は一段と高まっているほか、コロナ以降、まとめ買いの習慣も根付いている。卸売スーパーは、あらためて「安さ」を前面に打ち出すことで、買い物客の生活に適応した食品スーパーを目指していく。

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