
ーー鶴居村は、民有地を購入して太陽光発電施設設置の予防策をとっています。
鶴間 鶴居村の事例は、非常に特殊です。音羽橋をご存知ですか。タンチョウが雪景色の川の中、足一本で立っている写真が有名ですが、それは音羽橋から撮っているものです。その後背地の民有地を村が取得するようです。そういった特殊な事例があります。環境政策は、私たちも進めているので、今後は、湿原の保全、種の保全といったところに、ふるさと納税の寄付をいただけるような仕組みも検討していきたい。
ーー具体的にどんな手法になりますか。
鶴間 例えば、希少野生生物については、今はあまり調査できていないため、どこにどのような生物がいるのか調査をすれば、私たちは把握ができ、問い合わせがあった時に、すぐに説明が可能になります。そういったことには費用がかかるので、(ふるさと納税の)活用を考えていきたい。また、湿原の土地所有者は高齢化しており、市に寄贈したいという方がいらっしゃれば、寄贈に向けた測量費用などにも活用できたら良いと思います。
ーー日本エコロジーの森林法違反や盛り土の問題なども明らかになっています。
鶴間 私たちは、これまでも法律に則って対応してきました。ガイドラインに基づいて動いており、市の権限がないものに対しては、何もできない部分もあります。今回、話題になっていた森林法については、法令順守を事業者に伝え、違反があれば所管官庁、今回は北海道ですが、そこが事業中止命令など適切に指導されていくものと考えています。
ーー仮に条例制定後に日本エコロジーが設置届け出をしても許可されない。
鶴間 施行が2025年10月1日か、運用が2026年1月1日からとなります。その後は、そういった形で条例に則って対応します。太陽光発電は、国が推進してきた側面もあったので、私たち市町村で、「ここはいいですよ」「ここはやめてほしい」という促進区域、規制区域を設けさせていただければ一番ありがたいと思い、そういった訴えをしています。
ーー改めて、市長個人は、太陽光に関する条例制定をどう受け止めていますか。
鶴間 私の中では、最もやりたいことでした。もちろん、私だけでできたわけではなく、環境保全課が中心になって職員が頑張ってくれた。私が、中身を指示したわけではありません。市役所全体で、市民も一緒になって進められたのは、本当にありがたかった。これが基本にあったから、国民の関心が集まったのだと思います。
ーー全国的なモデルケースになってほしいですね。ぜひ市長には頑張っていただきたい。
鶴間 私たちができることは、これまでもやってきました。これからは、国でも法整備に力を入れていただけるようお願いしていきたい。国立公園がある全国の自治体の集まりでも、他の首長から、メガソーラーが目立つようになってきたという話をしていたところです。全国的に声を上げる自治体が、増えてくると良いと思います。
ーー自然が多い北海道で、太陽光パネルは景観を阻害している面があります。
鶴間 近年、特に目立ってきたと思います。私たちは、国のゼロカーボン政策について賛成しているので、太陽光発電のすべてがダメだと思いませんが、北海道は、自然を誇りとした歴史があります。釧路湿原につい言えば、1980年に、日本で初めてラムサール条約登録湿地に登録され、1987年に、釧路湿原国立公園に指定されました。釧路市には、守りたい自然があるので、しっかり守らせてほしいと思っています。
ーー本日は、ありがとうございました。



































