道路をまたぐ道路、跨道橋(こどうきょう)は、札幌市内では澄川跨道橋や澄川高台跨道橋などがあるが、規模は小さいものの北海道大学札幌キャンパス内にもある。その跨道橋がおよそ50年の役割を終えて撤去されることになった。北大の跨道橋は街の情景に溶け込んでいたが、撤去によって新しい街の景色が紡がれていく。(写真は、コスモスの花が揺れる先に見える北大跨道橋)
北大の跨道橋があるのは、札幌市北区北7条西10丁目。石山通と北8条通の三叉路の石山通側で、緩やかなアーチ状に片側2車線の道路をまたいでいる。この跨道橋は、1972年に設置された。当時は札幌冬季五輪を控えて地下鉄や幹線道路が急速に整備された時期。石山通を北上させて新川通に繋げるため、北大札幌キャンパスの一部が分断され、農学部地区と札幌研究林の実験苗畑を繋ぐために誕生したのがこの跨道橋。
北大キャンパス内にあるため、一般用には使われていないが大学関係者にとって、行き来のために跨道橋の存在は大きかった。しかし、建設から約50年、現行の構造基準には適合しなくなったほか老朽化も進んだ。北大では2015年度から維持管理方法の検討を開始、19年度には代替経路も確保したことから跨道橋の撤去を決めていた。
既に解体作業は進んでおり、西側の橋げた部分は撤去され、残っているのは道路上に架かる橋げた部分だけ。この橋げたを撤去するため10月20日(水)と25日(月)の2日間、夜間通行止めにして撤去作業を行う。この作業には、1200tの重さまで吊り上げることができるクレーン車2台を使用、東西に2分割して撤去するという。
慣れ親しんできた街の情景は半世紀で終焉を迎え、10月後半には、橋げたが取り除かれた新しい景色が始まる。
(写真は、石山通に架かる北大跨道橋)