帰ってきた札幌市時計台、秋の空気に映えるナマ時計台

社会・文化

 秋の澄んだ空気に映える白い外壁の時計台が帰ってきた。札幌の名所で国指定の重要文化財、札幌市時計台が5ヵ月ぶりに顔を出した。札幌市民も久々に見る“生(ナマ)時計台”にスマートフォンを向ける姿が多く見られた。(写真は、シートや足場が外されて5ヵ月ぶりに顔を出した札幌市時計台=2018年10月4日午後撮影)

 時計台の外壁改修工事は6月1日から始まり、時計台のてっぺんまでシートですっぽりと包まれてしまった。それではあまりにも味気ないと市も一考を凝らし、シートに実物大の時計台を描き、観光客を喜ばせる趣向を取り入れた。シートに描かれた絵は実に精緻で、ちょっとした都会のアートという雰囲気があったためそれなりに注目を集めた。

 夏の間シートの内側で進んでいた外壁の取り換え工事も終了、10月の声を聞いたころにシートや足場も外され、新しくなった時計台が顔を見せた。工事期間中に、時計台の奥に見える再開発ビル「創世スクエア」も竣工、9月6日には震度7を記録した北海道胆振東部地震が発生、それに伴う北海道全停電もあった。
 
 時計台が姿を隠していた平成最後の夏は、文字通り激動の4ヵ月間だった。そして化粧直しを終えた時計台が姿を現す。1878年に建設されてから140年、幾度の修復を経て風雪に耐えたその姿は、復興、復旧のシンボルとなりそうだ。
(外壁修復工事中は、シートに描かれた時計台が道行く人を和ませた=2018年7月17日午後撮影)

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