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 バスケットボール男子の日本リーグ(JBL)が、レラカムイ北海道の運営会社、ファンタジア・エンタテインメントの除名処分を決めて1ヵ月、同社社長の水澤佳寿子氏(48)は、今何を考え、何を実行しようとしているのか。直接インタビューし、胸のうちを聞いた。3回に分けて掲載する。(写真は、水澤佳寿子社長)


 インタビューは、2月下旬、札幌市中央区の日の出ビル5階の同社事務所で行った。
――レラカムイに関する報道は読んでいないそうですね。
 活字を信じてしまうので、読まないほうがいいなと思って全然読んでいません。一方的に出てきている情報に対して、本当はそうじゃないのにそんなような気分になってしまうから。
 自分が一番真実を知っているんだし、自分が感じたこと、考えたこと、されたことをちゃんと明確に記録しておくためにも、向こう(JBL)からあえて戦略的にリークされている内容にメディアが反応して書いた記事を読まないほうが良いと。それで見ていないです。
 当社の顧問弁護士との間では『冤罪というのはこういうように作られるんですね』と話しています。
――水澤社長からも発信がありませんね。
 私自身が今、何も言わないのは自分が育ててきたチームなので、リーグ戦を戦っている最中にごたごたを起こしたくないんです。
 ファンの人たちの中には『何で言わないのか』とか、周りの人からも『黙っていたら認めたことになるよ』とか、言われています。でも今は、私だけが叩かれていて相手がその動きで満足するんだったら、いいかなと思っていることと、メディアの特性でもあると思うんですけど、こんな良い人がいました、こんなに頑張っている、でも実はこんなひどいことがあります――書きやすいじゃないですか。そんな状況の中で何を言っても無駄な抵抗のような気がしますし、そういうことに乗っかりたくないなというのがあるんです。
 真実は私が一番良く知っているし、自分だけが得をしようとか、誰かを騙そうとか、悪意でやってきたことは一切ありません。稚拙なことはきっとあったんだと思いますけど、走りながらいろいろやってきたわけです。自分としては能力の不足を感じることもあるし、自分だからここまでやれたという自負もあります。
――今期は黒字になりそうだったのですか。
 今期は、経常利益が出せそうなところまで来ていました。経営者として、この事業で経常利益を出すということは、言ってみれば快挙な訳です。親会社もなく、メインスポンサーもない状況の中で作り上げたビジネスモデルを、まさにあと5ヵ月経てば実現できたところまでやってきたのに、私サイドから言うと邪魔が入ったわけですから、すごくそこに関しては悔しい思いもあります。
 それからJBLからの除名に関しても、いろんな弁護士に相談すると、除名処分そのものが規約に反しているのではないか、ということも聞くし、この除名処分は果たして誰が得をするのかということだと思うんです。
 得する人は必ずいるわけです。そこにどうして目が行かないのかな、と大衆心理を非常に興味深く見させてもらっています。
――誰が得をすると。
 レラカムイの譲渡を受ける人ですよ。後から出てくるでしょうけど、12月の段階で受け入れ会社が決まっていることを知っています。
 今の状況というのは出来レースなんです。12月の段階での除名処分撤回の要求を全て満たせば除名はなくなるだろうと思って、除名処分の要求を解消して理事会に臨んだんですけど、処分は変わらなかった。
もう内々に後ろで準備が進んでしまっていて、止まらない状態だったんだろうと推測しています。今は、名乗りを上げる企業が様子を窺っている時期じゃないですか。
 少なくともうちの会社には1億4000万円の負債があるわけですから、チームを得ようと思えばそれがチャラになるだけでも得です。負債を手っ取り早く消すにはうちの会社を破産させることですから。売上げが3ヵ月止まった会社は、私的か法的かは別にして整理されることになるわけです。ただ、うちは今もって破産もしていないし、破綻もしていない。
 一方的に、JBLから破綻しているというように宣告を受けたのが実態です。公認会計士や税理士が会社の中身を見たわけでもなく、ただ銀行勤務した経験があるというだけの経営諮問委員会のメンバーを来て、私からのヒアリングは一切なく、就任して10日ほどの近藤洋介社長と、うつでまもなく入院しなくてはならないと言っていた社員とで対応した。私からは一切経営内容の説明をする時間はなかったわけです。
 
 その時に、何の資料が出されたのかも私は知らない。それが正しい資料なのか正しくない資料なのかも分からない。
 ひとつだけ私の手に入ったのは資金繰り表。しかも正しくない資金繰り表が出ていたので、それに関しては訂正させていただきましたが、聞き耳を持っていただけなかったですね。
――現在の水澤社長の基本的な考え方やどういう方向を目指されているのか。
 これは、例えば不当解雇と同じだと思います。裁判で解雇は無効だといって会社に戻ったところで、じゃ仕事をやりやすいかといったらそうじゃないですよね。だから、まずひとつはJBLに対しては不当な処分だったということを認めてもらうこと。二つ目にはそれによって当社に与えられてしまった損害――それは私ではなくて株主や債権をお持ちの方――そこに対する損害賠償請求をしていかなければいけない。私にとっては、非常に不名誉なことがたくさんありましたので、それに関しても準備をしたいと思っています。
――それは名誉毀損の損害賠償ですか。
 経営者として無能呼ばわりされているわけですから、そこに関しては、そうじゃなかったと言っていただければそれでいいです。経営が分からない人に経営の判断をされてしまったということは、私自身は非常に悔しい思いです。
                              (以下、次回に続く)


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