北海道新聞社(本社・札幌市中央区)は、2023年9月30日(土)で夕刊を廃止する。同年8月28日の取締役会で決定した。1942年の道新創刊当初から発行してきた夕刊の歴史を、81年目で閉じる。(写真は、2023年9月30日で廃刊する北海道新聞夕刊)
夕刊廃止の理由として、新聞用紙代の大幅な値上げなどによる負担増や読者のライフスタイルの変化を挙げている。とりわけ、製紙会社からの昨年来の新聞用紙大幅値上げは、企業努力では吸収しきれないとしている。また、販売所での夕刊配達経費が重荷になっていることも理由に挙げた。
夕刊の発行部数は、ピーク時の1992年には約78万部だったが、現在は23万3784部(2023年7月ABC協会調べの部数)に減少。ただ、全国の地方紙では最多を維持している。長期にわたって漸減傾向が続いてるため、朝刊とデジタルに経営資源を集中させることが経営にとってプラスと判断した。夕刊の人気コラム「まど」のほか、文化面は朝刊に移行する。夕刊廃止に伴い、今期(2024年3月期)決算で見込んでいた8億3800万円の営業損失は、一定程度の圧縮が可能とし、来期以降の収支改善に繋がるとしている。
現在の購読料は、朝刊・夕刊のセットで月額4400円、朝刊のみは同3800円。夕刊廃止後は同3800円。北海道新聞社経営管理局は、「(2023年)9月1日付の朝刊と夕刊で夕刊休止の理由などを社告で読者にお知らせします」としている。同社では夕刊休止後に、組織・要員の見直しを検討している。2020年以降、大分合同新聞、徳島新聞、東奥日報、山陽新聞、高知新聞、熊本日日新聞、静岡新聞が夕刊を廃止している。