北海道新聞は、年内にも夕刊を廃止する方向だ。用紙代や電気代が高騰しているほか、販売店での人手不足も影響しているため。北海道新聞社は、本サイトの夕刊廃止の質問について、「決まっていることは何もありません」(経営管理局)としているが、2023年9月という情報も出ている。(写真は、北海道新聞の夕刊)

 北海道新聞の夕刊は、かつて70万部を超えた時期もあったが、現在は25万部に減少している。地方紙や全国紙で夕刊廃止が広がっており、今年になってからも静岡新聞のほか毎日新聞、朝日新聞が東海3県で夕刊を廃止した。そうした中、北海道新聞の夕刊25万部は、全国の地方紙や県紙の朝刊の部数とほぼ同じで、地方紙の夕刊としては最大の部数を持つ。

 ただ、夕刊の一版化によって、知床・観光船事故の船体引き揚げ途中での海中落下や安倍晋三元首相の銃撃事件が、当日に掲載できないという事態も発生している(安倍元首相銃撃は一部地域のみ掲載)。夕刊について、北海道新聞は昨年12月の段階で、発行を続ける姿勢だったが、今年4月には、夕刊廃止が経営に与える影響を勘案して検討するか、しないかを判断するというスタンスに変化していた。

 本サイトの夕刊廃止について質問には前述のように、「決まっていることは何もありません」としているが、5月に入って社内の一部で具体的な検討が始まったもようだ。北海道新聞は、用紙代や電気代が高騰する中、購読料の値上げも検討課題としているものの、2020年10月に値上げしており、再度の値上げには購読者の抵抗感も大きいとみて慎重姿勢。

 また、新本社ビル建設については資材費、人件費の高騰の影響もあって当初予算を超える建設費が想定され、経営への影響も出てきそう。夕刊には、名物コラムの「まど」、好評連載の「私のなかの歴史」などがあり、夕刊廃止となれば、朝刊へのスライドなど紙面構成の改編が必要になりそうだ。
※2023年6月2日、読者の指摘により記事一部修正しました。


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