北方ジャーナル6月号発売! 今月のトップは、記者逮捕問題で揺れ続けた北海道新聞を検証した「権力監視、今は昔」

マスコミ

「北方ジャーナル」2022年6月号が本日14日、店頭に並んだ。今月のトップは「地元紙・80年めの迷走〈6〉──権力監視、今は昔」だ。昨年6月に起きた、北海道新聞の新人記者逮捕事件。さる4月中旬、道新社内では編集幹部の処分などが決まり、追って事件に対する社の認識が明かされた。同下旬には宮口宏夫社長が初めて逮捕問題に言及し「非常に重く受け止める」などと発言。前後して労組が関連団体などと共同で声明を発表し、改めて当時の警察の対応などを批判している。道新自身の紙面からはすでに姿を消した問題、その後の動きを追った。(画像は、北方ジャーナル6月号の表紙)

 事態の表面化から1年、関係者の処分がようやく伝えられ、真っ当な謝罪や賠償などの被害対応が待たれる北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題からも目を離せない。加害を認定された教員らの一部はすでに個別の謝罪を始めているというが、その弁明は必ずしも被害者に受け入れられているとは言い難く、中には謝罪そのものを拒否された人もいる。当事者らの不信感が拭いきれないまま、発覚から1年以上が過ぎてなお、問題は尾を引き続けることになりそうだ。

 広大なオホーツク西紋地区の医療を預かる広域紋別病院(曽ヶ端克哉院長・150床)の医師流出問題の続報にも注目だ。昨年秋から今年1月にかけて副院長をはじめとする常勤内科医3人が相次いで病院を去る異常事態はなぜ起きたのか。今月号では、その疑問に対して寄せられた病院側の「公式回答」を紹介したい。4月中旬に委任弁護士から送られてきた内容は、極めて分かりやすいものだった。曰く「個別の事案についての回答は差し控えます──」。そこで浮き彫りになったのは弁護士を盾にして数々の疑問に口を閉ざす病院側の姿勢だ。

 このほか飼い主の死後、取り残された猫達の現場を取材した小樽発レポート「人間の身勝手さが拡げる不幸」も見逃せない。ペットブームで人気の猫だが、劣悪な環境で飼われ繁殖が進む多頭飼育が社会問題となっている。この中で、飼い主が亡くなる、あるいはSOSを出した場合、ボランティアが定期的に訪問し餌や水の交換や掃除、新しい譲渡先を探すといった保護活動に取り組んでいる。小樽市の猫保護ボランティア団体「銭函キャッツアイ」(瀧公恵代表)に同行し、市内の多頭飼育の現場を取材した。

 さらに3年前、留萌管内苫前町(福士敦朗町長)で起きた社会福祉法人苫前町社会福祉協議会の懲戒解雇事件(2019年6月号で既報)が訴訟に発展したニュースをはじめ「謝罪の春」となった道警不祥事の最新情勢などもオススメ。今年で創刊50周年を迎えた本誌の関連特集も要チェックを。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル5月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※6月号主要コンテンツ
【報道】
■地元紙・80年めの迷走〈6〉──記者逮捕問題、道新の幕引き。報道幹部の人事には失意の声
■告発・絶望の学府〈14〉──江差看護・前副学院長放言、謝罪の場でパワハラ否定も
■広域紋別病院の医師流出問題を追う〈3〉──弁護士を盾に口を閉ざす病院側。「個別の回答は差し控える」
■苫前町社協主査の懲戒解雇事件に新展開。補助金不適切支出で犯人扱いされた元主査が提訴
■道警不祥事から考える〈56〉──懲戒処分など1~3月期分を速報、年度明け以降も不祥事連続
■“核のゴミ”レポート〈31〉──最終処分事業と一体化する「幌延国際共同プロジェクト」。危うい“研究と処分の垣根”

【ニュース】
■北海道警察の対応「正しかった」国家公安委員長が野次排除肯定
■住民団体の求めで風力発電の双日が5月下旬に小樽と余市で住民説明会
■本誌記事をきっかけに資料を収集「アスパラガスの父」の足跡を辿る
■道庁がウクライナ支援窓口を設置、避難民受け入れや生活相談に対応
■悪夢再び? 相次ぐクマの目撃情報、肝心の証拠が見つからず道は慎重
■キャリアバンクが北農5連と連携、特定技能外国人を農業現場に紹介

【特別企画】
■創刊50周年記念特集(1)──▼祝辞・鈴木直道北海道知事/秋元克広札幌市長/伊東良孝衆議/逢坂誠二衆議。▼再録特集・アイヌ問題(2008年10月号)特別対談・河野本道vs小林よしのり

【地域金融】
■道銀が北海道信金「寿都支店」に共同窓口を設置。業態の垣根超えた“全国初の協調”とは

【政治】
■2022参院選/立憲民主党・石川知裕候補予定者に訊く「アベノミクスの失敗を改める」

【医療】
●手術支援ロボットが拓く未来。循環器分野の「ダヴィンチ」手術を牽引する札幌心臓血管クリニック

【企業】
●ホクノーが挑む地域活力の創出。もみじ台地区の健康寿命延伸に向けて取り組む先駆的事業

【文化】
●「住宅産業新聞」創業者・小西征夫氏が引退を機に作成した小冊子『おゝ他力よ!! 他力!』

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(81)─ひきこもりを理解できない父親③。「母親は、まず子供を守って」
●戦争遺産をめぐる旅(81)─A級戦犯が絞首刑を受けた東京都池袋「巣鴨プリズン」

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