教師たちが共に学び、共に成長すること目的にした北海道師範塾は11日から2日間、ホテルライフォート札幌(札幌市中央区)で「平成24年度夏季講座」を開催している。現役やOBの教師、教育関係者、教師を目指す学生など54人が参加、学校教育の在り方や特色のある教育をどう推進していくかのほかに、民間経営者としてセイコーマートの丸谷智保社長がモチベーションをあげるコツについても講演、多角的に北海道の学校教育を考える機会となっている。(写真は、夏期講座で開会挨拶をする吉田洋一塾頭=左と講演する丸谷智保社長)
1日目の11日には、開講式が開かれ、参加者全員で国歌を斉唱し北海道師範塾「教師の道」の目標三か条を唱和、続いて吉田洋一塾頭が挨拶。
吉田塾頭は、「北海道の教職員の不適切な勤務実態調査が終わったが、出勤簿と勤務実績が違うなどどうしてこういうことが起こったのか。教職員には被害者意識が強いが、今回の会計検査院の指摘によって公になった不適切な実態を変えていくきっかけにしなければならない」と語り、負の遺産のままにしておいてはいけないと強調した。
また、大津市のいじめ自殺に関して「教師や行政は、子供たちの痛みに共感できていない。滝川での事件もそうだったが、大津の事件から我々は学ばなければならない。師範塾を通じて、北海道に新しい教育の風を起こそう」と参加者に訴えかけた。
続いて、セイコーマートの丸谷社長が、『モチベーションをあげる経営』をテーマに講演。丸谷社長は、セイコーマートの100円惣菜や500円ワイン、農業生産法人など製造小売業としてのメリットなどについて話し、「モチベーションを高めることは、自分や所属する集団、あるいは自分の住んでいる地域や国家に対して誇りを持つことから始まる。必要なことは、高い目標にどう到達するかという道筋を手の届く具体的指標に落とし込んでいくこと」と同社の取り組みを紹介した。
丸谷社長は、道内のセイコーマート店舗、約1000店の来客数が年間2億4000万人にのぼるとしたうえで、「これを4億人にしようと言っても数字が大きくてなかなか実感が湧かない。しかし、2億4000万人を365日で割り、それを1000店で割っていき、さらに営業時間の平均20時間で割っていくと1時間あたり32人という数字が見えてくる。4億人にするためには1店舗1時間当たりの来店客数をどれだけ増やせば良いか、大きく掴んで最小単位に落とし込んでいくと実現の可能性が出てモチベーションがあがってくる」と述べた。
夏期講座は今日12日にも行われ、読売新聞北海道支社編集委員の中西茂氏が『北海道教育の課題』をテーマに、旭川龍谷高校校長の小野寺敏光氏が『特色ある教育の推進』について講演する。