大泉潤・函館市長インタビュー「新幹線函館乗り入れは人口減対策の幹」「ふるさと納税100億円目標」

政治全般

 ーースルメイカが、記録的不良です。函館を代表する魚種だけに、市長も残念な思いがあるのでは。

 大泉 当市だけではなく、日本全国どこも魚種が大転換しています。獲れていた魚が獲れなくなって、獲れなかった魚、例えば函館では、イワシやブリが大量に水揚げされています。そうした中で、スルメイカに関して言えば、昨年の水揚げ量は、1600t程度でした。10年前の10分の1のところまで減っています。今年は、さらに悪い状態で、非常に厳しい。天然昆布も厳しくて、これも昨年は、10年前の7分の1ぐらいまで減っています。ただ、天然昆布に関しては、資源回復が望める余地は充分にあるので、さまざまな施策を打っています。

 昆布には、天然と養殖があって、養殖は、一定程度の安定した水揚げがあります。他の昆布に比べて、函館の天然真昆布の評価は極めて高いので、何とか天然真昆布の資源回復と同時にブランド化など、さらに価値を高めることを並行して進めたい。

 ーー育てる漁業の取り組みも大事ですね。

 大泉 そうですね。養殖昆布もそうですが、ウニ、アワビなどをつくり育てる漁業の推進を図りながら水産業の回復に取り組んでいます。収益性の高いアワビやナマコなどは種苗放流もしていますが、先ほどの養殖昆布について、今は、天然昆布を母藻にして養殖していますが、この養殖昆布を母藻にする完全養殖技術の研究が、かなり進んでいます。実際に、漁協に技術移転をするところまで進んでいるので、関係機関と密接に連携しながら、さらに充実させていきたい。

 ーー大泉市長が誕生してから、ふるさと納税の納税額が、上昇カーブを続けています。

 大泉 ふるさと納税については、2023年度は改善など、何も手が付けられませんでした。私が、当選したのは4月末でしたから、その時には、細かく契約が全部定められていて解除できず、年度途中から中間事業者への委託はできませんでした。やはりノウハウを持っている民間の中間事業者とタッグを組まないと、なかなか増やしていけない。

 今年の4月から、ようやくシフトプラス(宮崎県都城市)と包括委託契約を結びましたので、今年度は、その元年になります。商品開発やポータルサイトのブラッシュアップ、プロモーション、地元企業への対応など、同社と連携をとって対応していきます。今までは、それら全てを市が直営で行っていました。そういう中で、よく市の職員は頑張ってきたなと思います。

 ーーまさに2024年度が、函館市のふるさと納税の元年になると。函館市の規模感と地域特性を考えれば、現状の15億円(2023年度)から100億円くらいにすぐ行くのでは。

 大泉 もちろんそう思っていますが、制度改正がたびたび行われて、ふるさと納税の規模が縮小するような動きが出ています。典型的なのは、ポイントの廃止です。それによって、ふるさと納税離れが全国的に進むと、全体のマーケットが鈍化することも出てきます。そうした心配は、常にあります。

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