DSC_4058IMG_0672 札幌市の上田文雄市長は31日、「第9回元気セミナー」と題した政治資金パーティーを札幌市内の東京ドームホテルで開催した。来春に控えた市長選を前に開かれたセミナーだけに、4選出馬に向けた発言が注目されたが「走りながら考える」と答えるにとどまり明確な出馬宣言はなかった。ただ、節々に上田市政継続の意思を示し、「上田市政の良さが必ずわかる。期待して欲しい」と自信を覗かせた。セミナーには市議など後援会を中心に約500人が参加した。(写真左はセミナーで市政に自信を示す上田市長=中央、写真右はセミナー終了後に参加者と握手する上田市長)
 
 セミナーは、民主党の理論的な支柱でもある北大の山口二郎教授が30年間の北海道生活に区切りをつけ東京に戻るため、「送別会」の意味合いを込めて開催された。元道新役員でフリージャーナリストの佐藤正人氏をコーディネーター役に山口氏と上田市長が語り合う形式で進行。
 
 民主党政権の失敗や現在の安倍政権の評価に多くの時間を割き、上田市長は民主党政権が地方の自立を支える政策を実行した点を評価する一方、安倍政権について「原発問題の認識や憲法観は基本的認識に欠けている人の発言だ。アベノミクスにしてもカネを注ぎ込めば効果が出るのは当たり前。効果が持続するかどうかが問題で日本経済の今は“仮の安住”」と厳しい見方を示した。
 
 札幌市政にテーマが移ったのはセミナーの後半。3期総仕上げの2014年度を迎え、上田市長の口からは「公約達成率は95%」、「市債残高を4500億円減らした」、「待機児童ゼロを約束する」と言った言葉が連発され、冬季オリンピック誘致についても「ソチ五輪に行ってIOC役員に札幌を認識してもらう活動をする」と前向きな考えを示した。
 
 また、20年の東京五輪で札幌ドームが会場として利用されることを踏まえ、「地下鉄駅からのアクセス確保は課題だが地下鉄延伸しても赤字が確実。屋根つきの動く歩道や上を通る電車など可能性をしっかり追求したい」と来春の任期以降の政策についても言及する場面があった。
 
 コーディネーターの佐藤氏が4選出馬の言質を取ろうと再三促すものの、上田市長は「今は、これが上田市政だという姿を見せている段階。14年度は北1西1の再開発ビルや市電ループ化などやっと目に見えてくるようになる。(4選出馬については)走りながら考えている途中」と答えるにとどまった。
 4月から法政大に移る山口氏は「市長は大統領と同じで直接選挙で選ばれリーダーシップが発揮しやすい。3期目で上田市長と職員は同じ方向を向いて頑張っている。上田市長は大したものだ」とエールを贈っていた。


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