人材紹介サービスのキャリアバンク(本社・札幌市中央区)と北海道は2日、外国人材の就労支援に関する連携協定を締結した。コロナ禍で外国人技能実習生などが帰国できず、新たな就労先が必要となった場合、両者が連携して就労先確保を支援する。自治体が民間企業と組んで、外国人の就労支援をするのは全国でも初めて。(写真は、外国人材就労支援協定の締結式。左から道の鈴木直道知事、キャリアバンク佐藤良雄社長)

 道内には約1万3000人の外国人技能実習生がいるが、コロナ禍によって実習期間が修了しても、母国への航空便が少ない、航空運賃が高いなどの理由によって帰国困難な状態になっている外国人が増えている。法務省出入国在留管理庁の新たな在留資格により、実習期間終了後も受け入れ機関で継続就労できるようになっているものの、コロナ禍の影響で受け入れ先の雇用環境が悪化、倒産するケースも出てきた。このため、新たな就労先を探す技能実習生のニーズに応える必要があるとして、道は外国人就労に関する知見が豊富なキャリアバンクと連携協定を締結、就労支援を実施することにした。

 2日、道庁3階知事応接室でキャリアバンクの佐藤良雄社長と道の鈴木直道知事が協定書に調印した。佐藤社長は、「キャリアバンクグループでは、外国人留学生や外国人技能実習生、特定技能実習生の受け入れ、大卒外国人留学生の就労支援に取り組むなど、外国人の就労に関する事業をフルメニューで対応してきた。こうした外国人の雇用に関わる経験を生かして、外国の方々が心地良く、安全安心に北海道に住み、就労できるようお役に立ちたい」と述べた。

 鈴木知事は、「外国人材の就労支援に関して豊富な知見とノウハウを持つキャリアバンクの支援は心強い。法務省も今回の協定に関して協力を約束してくれた。道は2019年8月に『北海道外国人相談センター』を開設して、外国人の相談にきめ細かく対応してきた。今回の新たな取り組みを含めて、海外の人たちに北海道は安心して暮らせ、働ける地域というメッセージをより強く発信できれば」と話した。

 北海道外国人相談センターには昨年度で2358件の相談があり、そのうち就労に関する相談は238件だった。コロナ禍が長期化していることを踏まえ、就労相談は増える見通しでキャリアバンクの支援によって就労先を支援、合わせて雇用のミスマッチ解消にも繋げていく。



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