北海道が所有している道立産業共進会場用地のうち約1万3000坪の売却先が大和リース(本社・大阪市中央区)に固まった。売却額は22億7154万円で道が決めていた最低売却価格7億7750万円の約3倍。この土地周辺はプロ野球北海道日本ハムファイターズの新ドーム構想の候補地。大和リースが取得すればドーム建設の追い風になるのかどうか。SnapShot(30)(写真は、道立産業共進会場周辺)

 道は道立産業共進会場の老朽化に伴い、八紘学園から1988年に取得していた土地約3万7000坪のうち、札幌市に優先売却する2万4000坪を除いた1万3000坪を公募型プロポーザルで売却することを決めていた。
 
 企画提案の期間を4月17日から5月8日として2者から提案があった模様。道は最低売却価格を坪5万8000円と決めたが、周辺の路線価は坪6万1000円で、しかも道がおよそ30年前に八紘学園から買い取った坪12万円の半額近い価格。土地鑑定が行われたとしても今回の売却価格は明らかに低すぎたことに関係者の多くは首を傾げた。
 
 蓋を開ければ大和リースが坪16万円を提示、その差は3倍にも及んだ。公募型プロポーザル審査は様々な審査項目による評価点の総合得点によって落札先が決まるが、大和リースの商業施設の事業提案と共に価格面でのポイントも高かったものと思われる。

 残り2万4000坪は札幌市に優先売却される見通しだが、市はこの土地を含めた八紘学園所有地をプロ野球北海道日本ハムファイターズの新ドーム構想の候補地として提案しており、今回の大和リースへの売却は新球場誘致の追い風になるかどうか注目されそう。
 なお、大和リースは大和ハウス工業系の企業。大和ハウス工業は市が公募型プロポーザルを実施した新札幌の約1万7000坪の再開発も44億円で落札している。


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