今年8月下旬、上川中部を襲った豪雨で4人が死傷する大きな被害が出たが、道道の崩落などもあって公共土木施設の維持管理の重要性が改めて問われている。
道は、道路や河川、橋梁などの公共土木施設の維持管理に十分に予算を取っているのだろうか。道は財政難からこうした公共土木施設の維持管理に充てる予算を年々削っている。平成21年度の実績を見ると道路や河川管理に総額173億6000万円を使った。内訳は、夏の期間が84億6000万円、冬の除雪・排雪などに89億円。この額はピーク時の平成10年実績の248億円から3割減っているという。


どうやって縮減してきたのか――道路の草刈りなど清掃の回数を減らしたり除雪の基準を変えるなどして道民生活に支障のない範囲で予算縮減してきた。例えば、草刈りでは道路のカーブや交差点を重点的に行っており、その際の基準は平均的な小学校1年生の身長で上半身が見えるようにすることだという。
また、除雪は路面に新雪が10センチ以上積もった場合としている。ちなみに、道民からの要望としては河川の草刈りを求めるケースが圧倒的に多いそうだ。
ただ、道路や橋梁、河川の維持管理は道民生活や経済活動に直結するだけにシーリングのような一律の予算削減には馴染まない。むしろこれ以上の予算削減は、上川中部のような異常降雨の際には、その脆さを露呈しまいかねずメリハリの付いた維持管理が必要になる。
道では公共土木施設の維持管理の基本方針を昨年3月に定めている。道では、基本方針策定から1年半が経過しているため、実情と照らし合わせた上で維持管理水準の見直しを検討する考えだ。

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