ヨドバシカメラ(本社・東京都新宿区)や平和不動産(同・同都中央区)などが組合員になっている、札幌駅南口北4西3地区市街地再開発組合は、札幌西武跡地など約1・7haの敷地を使って建設する再開発ビルについて、低層部に「五番舘西武」の建物にあったアーチを取り入れ、札幌市民の記憶の継承を盛り込んだデザイン案を示した。(画像は、札幌駅南口北4西3地区市街地再開発事業の完成予想パース)
2024年2月20日に札幌市が開催した「札幌駅南口北4西3地区市街地再開発事業」の景観アドバイス部会で、組合側がデザイン概要を示した。景観アドバイス部会の岡本浩一委員(北海学園大学工学部教授=専門は都市計画・住環境計画)は、「上層部を含めた建物全体のデザイン案は、他のまちにも似たようなものがある印象を受ける。建設場所の重要性を考えると、札幌を訪れた人が、北の大地に降り立ったという印象を持てるようなデザインにしてほしい」とアドバイスした。
また、小澤丈夫委員(北海道大学大学院工学研究科教授=専門は建築設計・建築史・建築意匠)は、「上層階はまちとの関係を閉ざしているような印象だ。札幌でこの場所以上に、札幌の印象を焼き付ける場所はない。まちとの断絶ではなく繋がりを感じられるようにしてはどうか」とアドバイスした。
低層部のデザインについて、組合側は五番舘西武の建物にあったアーチを再現、「記憶の継承を取り入れて、札幌らしさを表現した」という案を示した。委員からは、上層部にも札幌らしさを取り入れたデザインにしてほしいという意見が出ていた。