札幌の老舗洋菓子店「パールモンドール」の「南6条店」(札幌市中央区南6条西23丁目4-1)跡地に、賃貸マンションの建設が計画されている。「パールモンドール南6条店」の閉店から半年、名店の記憶が遠ざかっていく。(写真は、賃貸マンションの建設予定地)
「パールモンドール」は、小樽の老舗「館」で25年間、洋菓子作りに励んできた下出正三氏(故人)が、1971年に独立して創業した洋菓子店。最初は「フランセ」の店舗名で札幌・円山に出店したが、翌1972年に「パールモンドール」に店舗名を変更、1975年に円山から移転して「南6条店」をオープンさせた。下出氏の死去後は、子息が「パールモンドール南6条店」を承継して、運営してきたが、2023年8月31日に惜しまれながら、52年間の営業を終えた。
その後、建物は解体され、昨年10月下旬には更地になっていた。約150坪(495・86㎡)の土地所有者はパールモンドールだったが、更地になった後の昨年末、投資不動産のグランアーク(札幌市中央区)が取得。今回、同社が建築主になって、賃貸マンションの建設が計画されている。
約150坪の土地のうち、約75坪(247・87㎡)を使い、建築面積約56坪(185・08㎡)、鉄筋コンクリート造、地上5階建ての建物を建設する。戸数は16戸で、店舗も併設する。延べ床面積は約276坪(913・85㎡)、建築物の高さは13・790m。設計、管理は有限会社エー・トランスデザインワークス(札幌市中央区)、施工はサン建築設計(同市東区)、着工は2024年4月1日頃が予定されている。建設予定地には、雪が降り積もり、どこにでもあるような街角の風景が広がっている。洋菓子の名店があった土地の記憶は、間もなく書き換えられる。