札幌の老舗洋菓子店「パールモンドール」の「南6条店」(札幌市中央区南6条西23丁目4-1)が、きょう8月31日で閉店する。同店には閉店を惜しむお客が連日訪れ、生ケーキは午前中で完売する日が続いている。洋菓子を提供してきたこの店は、52年間の営業を終了する。(写真は、2023年8月31日で閉店する「パールモンドール南6条店」)

「パールモンドール」は、北海道の洋菓子発祥の店、小樽の「館」で25年間、今でいうパティシエとして洋菓子作りに励んできた下出正三氏(故人)が、1971年に独立して創業した洋菓子店。当初は札幌・円山で洋菓子専門店「フランセ」としてスタートしたが、翌1972年に現在の「パールモンドール」に店舗名を変更、西区二十四軒には2号店「二十四軒店」をオープンさせた。

 1975年に円山から移転して「南6条店」をオープン、現在に至っている。同店は洋菓子作りの工程を来店客に見てもらおうと、売り場と工房の壁をガラス張りにして、ライブ感を演出、当時としては画期的な店舗だった。「フランセ」の時代から52年間、現店舗に移転してからでも48年間にわたって営業を続けてきたが、生活様式が大きく変化していることに加えて、建物の老朽化も進んでいるため、営業継続は困難として8月31日で閉店することになった。

 同店には、駐車場スペースが5台分あるが、閉店が近づくにつれて来店客が増加、駐車場に入ることができない車が続出している。また、生ケーキは午前中でほぼ完売、夕方に訪れるお客は、「モンデリカ」など焼き菓子を名残り惜しそうに菓子カゴに入れている光景が続いている。札幌の洋菓子の歴史をつくってきた店舗が、惜しまれつつ閉店する。なお、「パールモンドール二十四軒店」は通常営業を続ける。



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