マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の9回目は、札幌市西区宮の沢2条4丁目7ー20「ワンマンシアター宮の沢店」。(写真は、国道5号線沿いにある「ワンマンシアター」)

 札樽自動車道の札幌西インターを超えて国道5号線を西へ進むと、「ワンマンシアター」と書かれた派手な看板が目に入る。ビデオ、DVD、本、インターネットのフリールームで、試写室を備えたいわゆる個室ビデオ店。その店舗が、2021年7月15日に閉店、間もなく解体工事に入りそうだ。

「ワンマンシアター」の建物は、この種の店舗の建物としては違和感がある。配送センターのような外観に、遠くからも視認できる大きな看板。元々は、読売新聞社系の広告代理店、ヨミックスが使っていた建物のようだ。明らかに商業施設系の店舗とは異なる建物であることが分かる。

 土地建物所有者は、ヨミックスから個人に移り、2010年前後に「ワンマンシアター」がオープンしたとみられる。その土地建物は、昨年9月に不動産会社のブランチ・オフィス(本社・札幌市中央区)が取得している。ブランチ・オフィスは、様々な不動産開発の実績があるが、ドラッグストアの「ツルハドラッグ」の店舗についても建築主として関わったことがあり、今回もその可能性がありそう。



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