似鳥昭雄ニトリHD会長、北海道経営未来塾120分講演のダイジェスト7000字語録

経済総合

「社会貢献のバロメーターは、客数だと思っている。同じ店で、客数が増えていることが必要。客数が減っている店は、魅力がないからだ。お客にいらないと言われていることと同じ。客数が少なくなっているのに、手を打たないと没落していく。1人でもお客が増えるようにしないといけない。新店もどんどん増やしていかなければならない。1店より10店、10店より100店、100店より1000店の方が当然、価格競争力がつく。バイイングパワーによって、商品を調達する力が強くなるからだ」

「1店から10店まで15年かかった。10店から30店までも15年、30店までに30年かかっている。店を増やすために勉強して努力した。チェーンストアとはシステムのこと。システムとは、誰がやっても同じように成果が出る仕組み。組織や店を動かす人材の育成が大事だし、商品も魅力的でないといけない。価格が安くて、品質が良いことが価値。価格と品質の差があればあるほど、価値は高まる」

「店には良い立地が大切。いくら商品が良くても、1坪当たり40万円しか売れていない店もあれば、400万円、500万円のところもある。新宿の高島屋の建物を借りて店を出しているが、坪500万円とか600万円を売っている。同じ商品でも10倍の開きがある。店舗の立地と商品は両輪だ」

「30店から100店になるのに7年、創業から36年かかった。100店から200店は6年、200店から300店は3年、400店から500店は2年、500店から600店も2年、600店から700店は1年、700店から800店も1年、今年は942店になって1年間で140店くらい出すことができた。次の段階は、1年間150店、3~4年先には年間200店を出店する。その時には海外で年間100店以上出店する」

「企業規模が小さいと、価格交渉力がないから、出店を加速することができない。皆さんは、売り上げを年間50億円以上にしないとだめ。50億円以上で、ようやく一人歩きができるようになった段階。それ以下はまだ赤ちゃん」

「市場調査、企画、原料調達、開発、製造、品質検査までを手掛けており、似鳥はSPA業態を取っている。貿易も自前でやっている。船会社と3ヵ月単位で価格交渉している。通関士は10数人いて、社内で通関業務をしている。コンテナは14万コンテナを使用しているが、これは日本で最大の量。港からコンテナを載せて運ぶカーゴ車は1台3000万円くらいするが、各物流センターに5台前後入れている。何から何まで全部自分のところで賄う。直接やることによって、3割から4割運賃が安くなる。それには量がないとだめ」

「ベッド、ソファに使うウレタンなどの原料は、世界中から良いものを安く入れている。海外取引しているから安くなるだけじゃなくて、海外で原料を世界中から探して、その材料を調達する。メーカー一社では、たかが知れている。何十社のメーカーと契約している」

「当社の物流には、今年から2025年までに3500億円を投資する。土地もまだ1ヵ所買っていないが、全国各地で買った。石狩の2万3000坪は広さとして最低の坪数。九州、神戸、埼玉にはそれぞれ3万坪くらい。さらに新しい物流センターを横須賀近辺につくる。広さは10万坪、日本最大の物流センターをつくる」

「1億円から3億円、3億から10億円、10億円から30億円、30億円から100億円と常に3倍の経営を目指すことが必要だ。そのためには、今までのやり方を否定して、新しいやり方に切り替えていく。皆さんは、先代と同じことをやっていたら絶対伸びない。2代目は先代を否定して新しいやり方に変えなければいけない。『私のやり方でだめだったら、辞めます』くらいの喧嘩をしないといけない。どんどん親子喧嘩をした方が良い」

「上場するのに27年かかったが、皆さんは、早く上場した方がいい。上場して得た資金はもらったお金と一緒。私は札証上場の際に50億円を調達した。当時の50億円は結構な大金で、店が何店か出せた。それで非常に楽になった。そのお金で函館店を出店したが、普通は3億円とか5億円の売り上げなのに、函館店は10億円くらいの売り上げになって、一気に利益が出るようになった」

「チャレンジとは、できそうもないことを目標にすること。富士山を登るのはチャレンジではない。チャレンジといったら、エベレストに登ること。死ぬか生きるかわからない目標が、チャレンジ。大きければ大きいほど良い。皆さんは少なくとも売り上げ10倍くらいをやらないといけない。20年くらいで10倍と想定すると、10年後にはいくらにしないといけないか、逆算するようになる。私は、アメリカに行ってロマンとビジョンを持ったことで、ここまでになった。人は天才というけど、天才でも何でもない。ロマンとビジョン、皆さんの誰にでもチャンスがある」

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